それだけ ~先生が好き~
指輪の存在
サイダー味のアイスは、一瞬で溶けてしまいそう。
急いで口の中に入れる。
私の部屋にはクーラーがあるけど、なるべくつけたくない。
それは、先生が環境の授業をしたから。
別に、先生がやれっていったわけでもないんだけど・・・。
ただ、なんとなく。
クーラーの風もあまり好きじゃないし。
口の中が冷えて、ちょっと痛い。
夏休みも、半分を過ぎた。
今、部活はお盆休み。
あとは、夏休み最後の1週間にある。
それまでが、長い。
最後の1週間には、先生も部活で学校に来る。
はやく、会いたいなぁ・・・
長い時間は退屈。
先生といる時間は、あっという間なのに。
時間って不思議。
携帯から、私の好きな歌の着信音。
萌かな・・・
「もしもし?」
『ゆき?あのねあのね!今ね、田村が目の前通ったの!よぉ!って言ってくれたの!』
「え!すごいじゃん!田村、やっぱ萌のこと好きなんじゃないの?」
『それはないよ~!だれでも言うよ・・・でも嬉しい!』
田村は、野球部で私たちと同じクラスの男の子。
そして、萌の好きな人。
『ゆき、今から出てこれない?駅のとこのカフェなんだけど』
「あ、大丈夫だよ!準備できたらすぐ行くね!」
萌があんまり嬉しそうに報告してくれるから、早く行ってあげようって思った。