それだけ ~先生が好き~


帰り道、学校の隣を通る道を選んだ。

少しでも先生の姿が見たくて。


校庭では、野球部が練習をしていた。


だけど先生の姿は、見つからなかった。


しょうがない。


先生・・・


不安で泣きそうになる。


いつから私、こんな風になったんだろう。


わがままで、素直じゃなくて、可愛くない。


どんどん、先生から離れていく気がする。


寂しい。


先生が私の方を見てくれなくてもいいんだ。


ただ、そばにいて欲しい。


それすらも・・・わがままなんだってわかってる。


だけど、願わずにはいられない。








ガチャ・・・


家に帰っても誰もいない。


ひとりぼっちの時間。


涙すら出ない。



『壊れた家庭』



その言葉が、あまりにぴったりで


頭が痛い




イライラする





ガシャンッ




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