それだけ ~先生が好き~


「お、部活終わったの?お疲れ」


先生が職員室で話しかけてくれた。

嬉しいな。

こういうのは何回でもあって欲しい。


「はい、先生もお疲れ様です」


そう言って先生の顔を見ると・・・


「おぉ、髪、サッパリしたな」


気づいてくれた。

ありがとう・・・先生。


「あ・・・あ、はい。もうバッサリです」

ちょっと焦って変な返事しちゃった。

先生が気づいてくれた事が・・・嬉しい。

今日も先生は私に笑顔の源をくれるね。


もし先生がいなくて


この状況なんだとしたら


どうなっていたんだろう。


きっと笑う事なんて出来なかったね。


毎日怯えて過ごしていたかもしれない。




私にとって先生は、もうなくてはならない存在。




「どうした?ボーッとして・・・」


「え・・・あ・・・あぁ、何でもないです」


考え事していたら、ボーッとしてたみたい。


それも先生のこと・・・。



「今日このあと時間ある?資料作るの手伝ってくれない?」



え・・・?


先生がそんなことに誘ってくれるなんて・・・

嘘みたい。


私は考える間もなく、



「やります!」

って答えた。


「本当?よかった、あの量ひとりじゃ無理だったからさ。じゃあ荷物持って職員室の前で待ってて」




やったぁ・・・!


まだ、先生と一緒にいられるんだぁ。


ドキドキと嬉しさでいっぱい。



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