それだけ ~先生が好き~


「おまたせ。今、部屋開けるから」

鍵を持った先生が職員室から出てきた。


ガチャ・・・


職員室から少し離れた、この小さな部屋で作業をするらしい。


先生と一緒に・・・。


本当に嬉しくて、顔がゆるんでる。


「・・・じゃぁ、まずこれ半分に折って、ホチキスでとめて」


言われるがまま、作業に励む。


保護者会の資料・・・かな。


結構多い。


でも、そのぶん先生といられる。



「あっついなー・・・ここ、クーラーねぇもんな。でも窓開けたらプリント吹っ飛んでくしなぁ・・・我慢して」


「大丈夫です、暑いの慣れました」


「慣れたって・・・慣れるもんかぁ?すごいな、お前」



先生との会話も、楽しい。




先生、なんかますますかっこよくなったような・・・

資料作りも先生とならなによりも楽しい。


だって横を見れば、先生がいるんだよ。


先生の額に浮かぶ汗。


必死に作業する顔。



腕。



指。




全部、好き。





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