それだけ ~先生が好き~
「あー・・・疲れた。資料作りも体力使うなぁ・・・」
やっと半分ぐらい出来た。
かなりの時間が経っていることに今気づいた。
「あと半分ぐらいですね。お疲れ様です」
「お前は大丈夫?疲れてない?疲れてたら、適当に休憩しろよ」
何か・・・今更ドキドキしてきた。
よく考えれば、二人っきりだし。
二人とも無心に資料を作ってたから、なんとも思わなかったけど。
先生が、触れる距離にいるんだ・・・。
先生は・・・なんとも思ってないだろうけど。
そりゃそうか・・・
中学生の子供と二人でいても、ドキドキするわけない。
ちょっと悲しいけど・・・。
「最近・・・大丈夫かぁ?無理してない?」
また、そんなこと言ってくれる。
だから、私期待しちゃうんだよ。
先生・・・
「あんまり・・・変わらないかな。しょうがないし」
私はうつむいて言った。
自分で言ったことだけど、自分に言い聞かせる。
『しょうがない』って。