それだけ ~先生が好き~
先生がまっすぐ私を見つめる。
目を・・・そらせない。
私も先生を見つめる。
時間が止まったかのように、静か。
窓の向こうで聞こえる、生徒の声が遠くで響いてる。
セミの鳴き声も、鐘の音も、全部窓の向こうで響いてる。
二人だけの空間。
ここには、二人しかいない。
何を話しても、聞こえない。
それを実感した。
頬を触っていた手が、私の手を握る。
ドキッとして、身体が反応する。
「なぁ・・・言いたい事あるなら言っていいからな。我慢するなよ・・・何でも聞くから。心配なんだよ、お前」
先生、やっぱり今日は違う人みたいだよ。
でも、ちゃんと先生だ。
「・・・はぁい・・・」
手に神経が集中してるみたい。
返事がうまくできない。
顔どのぐらい赤いかな。
私、どうなるんだろう。
これ以上・・・こうしていたら。
あ、
好き
先生が、好き。
「先生・・・好きです」