それだけ ~先生が好き~



先生は、下を向いて、大きなため息をついた。



心臓の音が、鳴り止まない。






「・・・俺だって・・・そうだよ」






小さな部屋に響いた、低く小さな声。




「俺だって、お前が好きだよ」




はっきりと聞こえた、先生の声。





真正面を向いて、私の目を見つめる。





その瞳に映るのは・・・私。






先生・・・



何て言った?





「今井が・・・好きだ」






これは、夢?



それとも変わる事のない、現実?





先生が、好きって言ってくれた。






私に・・・





< 73 / 522 >

この作品をシェア

pagetop