それだけ ~先生が好き~
3章 通じ合った心
シアワセ
しばらく、抱きしめられたままで動けなかった。
やっと、伝わった。
私の気持ち・・・
一年以上も、好きだったんだよ。
やっと・・・。
「なんか・・・嫌われたかと思ったんだけど」
・・・え?
嫌われた・・・?
「えぇ?嫌ってないです・・・あ、あの時かなぁ」
「やたら無視するし・・・声かけてもそっけないし。何があったのかと思った」
あれは・・・先生が好きで好きでしょうがなかったから
自分の気持ちを抑えるための行動・・・だったはず。
「だって・・・あのままだと、私好きで好きで・・・壊れそうだったから」
「なんだ・・・やっとわかった」
「ごめんなさい・・・先生」
やっぱり先生は、あの時何も言わなかったけど・・・傷ついてたんだ。
ごめんなさい。
「いいよ・・・もう」
抱きしめていた腕を緩めて、二人で笑いあった。
先生の、ちょっと赤く照れた顔を目に焼き付ける。
こんな素敵な時間があるなんて・・・
知らなかったよ。
こういうのを、シアワセっていうのかな。