それだけ ~先生が好き~
あれ?
白い天井が目に映る。
「やっと起きた・・・大丈夫か?」
先生がいる。
あぁ、私倒れたまま寝てたんだ。
汗がびっしょり。
また嫌な夢見た。
「まだ顔色良くないな・・・疲れてるんだろ?ゆっくり休めな」
優しい笑顔を向けてくれる先生を見て落ち着く。
「せんせぇ・・・部活は平気なの?」
「あぁ・・・石田先生が行ってくれてるから」
優しい笑顔を見ていたら、涙が溢れた。
良かった。
先生がいてくれて、良かった。
怖かったから・・・
もし起きたとき誰もいなかったら、ひとりぼっちだったら・・・。
考えるのも怖い。
何も言わずに泣き出した私の頭をなでる先生。
変わらぬ笑顔で、ゆっくりと。
その手から伝わる熱が心地よくて、安心する。
先生が好き。
「先生・・・好き」
先生はびっくりしたように手を止めた。
そしてまた動かしながら、
「・・・俺もだよ」
って言ってくれた。