それだけ ~先生が好き~
保健室独特のにおいがする。
初めて保健室のベッドで寝た。
「どうする?もうちょっと落ち着いたら帰るか・・・?」
帰る?
どこに?
帰る場所なんてない
嫌だ
涙がボトボトと落ちる。
昨日のことが頭に浮かぶんだ。
先生はしまったって顔をした。
「・・・ごめん・・・ごめんな」
先生は優しく抱きしめてくれた。
タバコの匂いがする、先生。
「せんせ・・・だめだよ、誰か来るかも・・・」
そう言いながらも、このままこうしていたいと思ってしまう。
「鍵閉めてるから・・・平気だって」
耳元でささやいた声が、緊張のせいで頭に到達するのに時間がかかる。
ドキドキ・・・してるはずなのにどこか心地よいこの気持ち。
先生だから、感じることが出来る。