それだけ ~先生が好き~
遠ざかる先生の背中を見つめた。
学校へ戻っていく大きな背中。
先生の大きな背中は、何を背負っているの?
私たち生徒のこと?
仕事のこと?
それとも・・・
指輪の存在のこと?
まだ、先生のこと何も知らない。
みんなの知ってる『先生』しか知らない。
知りたいんだ。
誰も知らない先生。
私だけの先生を・・・
なんて、わがままだね。
先生はどんどん小さくなって、ついに曲がってしまった。
好きだよ。
世界で一番かっこいい王子様。
熱が上がってしまったかも。
先生のせいだぁ。
誰もいない冷えた家に入って、先生のことを思い出す。
『世界で一番可愛いお姫様』
そうなれるように、頑張ろう。
先生のおかげで安心できたのか、ベッドに入った瞬間、深い眠りについた。