それだけ ~先生が好き~



今日は雨で、体育館での授業。



ピーー!



外より、先生の笛の音が響き渡る。



「はい。じゃ、号令お願いします!」


先生がちらっとこっちを見て言う。




・・・言わなきゃ。




「・・・気をつけ・・・こ・・これで体育の授業を・・・終ります」




皆が解散していった。


先生が不思議そうにこっちを見る。



「どうした?なんか死にそうな声で号令かけてたけど・・・」



首を傾けて、私の顔を覗き込む。



「あ・・あははっ!大丈夫です・・・全然」


「顔色悪いぞ?具合悪いのか?」


先生は心配そうだ。


「そうかな・・・わかんないや」



・・・あれ?


涙が・・・



「・・・わかんないよ・・・わかんないよ・・・」



いつのまにかぼろぼろ泣いてた。



何がなんだかわからない



何がいけないの



何が悪かったの




教えて







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