それだけ ~先生が好き~

帰り道



なんだかんだ、仲直りできた私たち。

今まで以上に・・・お互いがわかった気がする。



城田の気持ちが純粋に嬉しかった。


私なんかを・・・好きになってくれてたんだ。


どこがよかったんだろう。

でも、嬉しいんだ。



城田はこんな私のどこかにあるのかも解らない『いいところ』を見つけてくれたんだ。



それが嬉しい。




「それでね、城田とちゃんと仲直りできたの!」


放課後偶然会った先生と、相談室で今日のことを報告。


二人きりになるのはまだ緊張する。



「よかったな!・・・ってことは、城田は俺のライバルか?」


先生の顔が急に真面目になって、笑っちゃった。


「何笑ってんだよ!!」


「先生がライバルとか・・・言うんだね!面白い」


「全然面白くない!」



少し照れた先生が、私の手を握った。



「城田のじゃなくて、俺の手を記憶させておかないと・・・」



なんて言って、両手でぎゅーって私の手を包む。



温かい。





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