それだけ ~先生が好き~
先生の手の温もりが好き。
城田とは少し違った気がした。
気のせいかもしれないけど・・・。
「お、もう6時?そろそろ帰らないと・・・、な」
前にあったことを気にしているのか、控えめに言う先生。
ごめんね。
気を使わせてる私・・・。
もっと強くならなきゃ。
「そうだね。お仕事頑張ってね!!」
心配させないように笑顔を向ける。
先生も、
「頑張る頑張る!!お前がそう言うなら!」
って、笑顔でこたえてくれた。
空は暗くなりかけてる。
先生とわかれて、少し寂しくなった私を待っていたのは・・・
城田。
下駄箱にもたれる城田を見つけた。
携帯をいじりながら、外を見てる。
携帯・・・持ってきちゃだめなんだけどな。
「城田ぁ!!何してんの~?」
城田は振り向いて笑った。
「一緒に帰んない?久しぶりに!」
目にかかる前髪をはらいながら言った城田は、満面の笑み。
「いいけど・・・携帯!学校に持ってきちゃだめなんだよ?」
「わーかったよ・・・なんだお前、松戸効果か??」
「ていうか、当たり前じゃん!!」
しぶしぶ携帯を鞄にしまい、「もう持ってきません!」って、笑った。