† Lの呪縛 †
「僕もここが好きです。 ハデス様の治めるこの世界が大好きです。 でも、地上の星空も同じくらい……時にはここよりも好きな時があります」

「星空は美しくて心を穏やかにしてくれるものね」

「はい」



ヒューイは遠くを見つめ、目を優しく細めた。


星空よりも、オリヴィアの事を思い出していた。


地上で出来た初めての友達。



「少し見ない内に変わったわね」

「変わったって……何がですか?」

「ふふっ、こういう時の女の勘は凄いのよ?」



ペルセポネの言っている事がよく分からず、ヒューイは頭の中に沢山のハテナを浮かべた。


その様子を見て、ペルセポネは余計に笑みを深めた。



「地上へは星を見に行ってるのよね?」

「はい。 仕事をした後ですけど……」

「本当にそれだけ? 素敵な出会いがあったのではなくて?」



ペルセポネの言葉にヒューイは過剰に反応し、アタフタした。


顔を赤く染めている。


温かい眼差しに見つめられ、ヒューイは観念したかの様に深呼吸をし口を開いた。



「地上で星を眺めている時に、不思議な少女と出会いました。 んー……少女と呼ぶのは可笑しいかもしれません」



ヒューイは気がついていた。


オリヴィアが数百年の時を過ごしている事に。





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