† Lの呪縛 †
至近距離で銃口の先が、男の額の真ん中を捉えていた。
銃を握り引き金に掛けたフォスター子爵の手は震えているが、的を外さない様に両手でしっかりと握られていた。
フォスター子爵の目が見開かれると同時に、大きな銃声音が部屋中に響き渡り、部屋一体の空気が振動した。
銃弾は男の額を貫き、壁にめり込むと動きを止めた。
だがフォスター子爵は銃から手を離すことが出来なかった。
銃口を上に向けたまま下ろすことも出来ない。
夫妻は更に体を震えさせ、その顔はどんどん恐怖と絶望に歪んでいく。
「あなた方人間とは体のつくりが違う。 かといって、痛みがないわけではない」
額から血を流しながら喋る男はそう言いながらも、痛みに顔を歪ませる事はなかった。
既に傷口は見当たらず、銃で撃たれたとは思えない程平然とした態度だ。
額から流れた血を指の腹で拭い、指先の血を舐めとった。
「もう弾を喰らうのは御免だ。 その銃は手放してもらうとしよう」
銃を握り引き金に掛けたフォスター子爵の手は震えているが、的を外さない様に両手でしっかりと握られていた。
フォスター子爵の目が見開かれると同時に、大きな銃声音が部屋中に響き渡り、部屋一体の空気が振動した。
銃弾は男の額を貫き、壁にめり込むと動きを止めた。
だがフォスター子爵は銃から手を離すことが出来なかった。
銃口を上に向けたまま下ろすことも出来ない。
夫妻は更に体を震えさせ、その顔はどんどん恐怖と絶望に歪んでいく。
「あなた方人間とは体のつくりが違う。 かといって、痛みがないわけではない」
額から血を流しながら喋る男はそう言いながらも、痛みに顔を歪ませる事はなかった。
既に傷口は見当たらず、銃で撃たれたとは思えない程平然とした態度だ。
額から流れた血を指の腹で拭い、指先の血を舐めとった。
「もう弾を喰らうのは御免だ。 その銃は手放してもらうとしよう」