† Lの呪縛 †
明らかに動揺しているクレア。


瞳は不安に揺れ動く。



「一緒に居たんですが、はぐれてしまって……船内を探したんですが見つからず、ここに戻ってきているかと思ったのですが……」



苦しそうに眉間に皺を寄せるシド。


ダグラスは、今にも倒れてしまいそうなほど青ざめたクレアの肩を抱き寄せた。



「もう一度船内を探そう。 クレアとヴァネッサはここに居てくれ」

「嫌よ! 私も探すわ!!」

「オリヴィアが戻って来た時、誰もいなかったら困るだろう?」



ダグラスは子供に言い聞かせる様に優しい声でクレアに言い聞かせた。


そして頭にキスを落とすと、クレアは諦める様に視線を落とした。



「ヴァネッサ、クレアを頼む」

「えぇ、分かったわ。 もう! こんな時にあの人ったら何処で何してるのかしら! エドガーが戻ってきたら、一緒にオリヴィアを探してもらうわね」

「あぁ、すまない。 宜しく頼む」



クレアとヴァネッサは会場に残り、男三人は会場を出てオリヴィアを探し始めた。





< 256 / 260 >

この作品をシェア

pagetop