† Ｌの呪縛 †
ダグラスは背もたれに寄り掛かり、天井を見つめた。


見慣れた天井に思わずため息が漏れる。



「オリヴィアは生き返ったんだ。 体のどこにも傷などなかったよ……」

「信じられないわ……」

「あの少女が生きてる事事態が信じられねぇ事じゃねぇか。 本来ならとっくに死んでる存在だ。 少女の証言が事実なら、だがな」

「チャールズ一世……って話？」



ダグラスがオリヴィアを見つけ、漸く聞き出した情報の中に、チャールズ一世という名が出てきた。


詳しく聞くと、オリヴィアが実母と暮らしていた頃国を統べていた王、それがチャールズ一世だと言っていた。


チャールズ一世が国を統べていたという事は、今から約二百五十年前という事になる。



「オリヴィアがまだ全てを話してくれていないのか、それともオリヴィア自身も知らないのか……まぁ、後者が濃厚だろう」

「どうしてよ？ あの子はまだ、貴方たちの事を疑ってるんじゃなくて？ 突然知らない場所に連れて来られて、まだたかだか二年でしょ？ 当然だわ」

「目を覚まして、一番驚いていたのはオリヴィア本人だよ」



ーもう少し落ち着いたら、オリヴィアともっと話をする必要があるな。ー


本当ならもう少しゆっくり時間を掛けて、オリヴィアの心と過去を探っていくつもりだった。


けれどこうなってしまった以上、奴等が知りうる可能性があるものは、こちらも知っておく必要がある……ダグラスはそう思った。






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