† Lの呪縛 †
第一話*レッドフォード伯爵家
たくさんの本がおさめられたライブラリーで、難しい顔をしてテーブルに頬杖をつき、本に目を通している一人の少女。
時折悩まし気なため息を吐く度に、小さく開く花弁の様な唇。
一枚、また一枚と紙を捲る音が、静かなライブラリーに響く。
「この本にも、詳しい事は何も書かれてない……」
今日何度目か分からない、ガッカリした声が漏れた。
今までにいったいどれほどの本を読み漁っただろうか。
今読んでいる本が何冊目なのかも分からない程読んでいる。
ーコンコンコン。
少女はドアのノックの音に反応する事なく、肩を落胆させ、興味のなくなった本を眺めていた。
「此処だと思ったよ」
開いたドアから顔を覗かせた成年は、少女の姿を瞳に映すとホッとした様な笑みを浮かべた。
「ノエルお兄様、お帰りなさい」
「ただいま。 何か収獲は?」
「もう……分かってるくせに……聞かないでよ」
ノエルは優雅な足取りで少女の座る赤いベロアのソファーに近付き、品やかな動きで少女の隣に腰を下ろした。
少女の頬に触れ、愛おしそうに指先を滑らせ頬を撫でた。
時折悩まし気なため息を吐く度に、小さく開く花弁の様な唇。
一枚、また一枚と紙を捲る音が、静かなライブラリーに響く。
「この本にも、詳しい事は何も書かれてない……」
今日何度目か分からない、ガッカリした声が漏れた。
今までにいったいどれほどの本を読み漁っただろうか。
今読んでいる本が何冊目なのかも分からない程読んでいる。
ーコンコンコン。
少女はドアのノックの音に反応する事なく、肩を落胆させ、興味のなくなった本を眺めていた。
「此処だと思ったよ」
開いたドアから顔を覗かせた成年は、少女の姿を瞳に映すとホッとした様な笑みを浮かべた。
「ノエルお兄様、お帰りなさい」
「ただいま。 何か収獲は?」
「もう……分かってるくせに……聞かないでよ」
ノエルは優雅な足取りで少女の座る赤いベロアのソファーに近付き、品やかな動きで少女の隣に腰を下ろした。
少女の頬に触れ、愛おしそうに指先を滑らせ頬を撫でた。