† Lの呪縛 †
「一人で調べるには限界がある。 そうだろう?」

「そうかもしれないけど、ただじっとしてるだけだと落ち着かないの」



ノエルは眉尻を下げ、困った様に笑った。



「こっちを向いて、オリヴィア」



ノエルはオリヴィアの手をそっと握ると、本を掴んでいるオリヴィアの手に微かに力が篭った。


本当はオリヴィアには調べ物をして欲しくない。


真実を追うのは自分と両親だけでいい、ノエルはそう思っている。


オリヴィアにもしもの事があったら……そう考えるだけで、今にも胸が張り裂けそうだった。


オリヴィアは首を捻り、ノエルの顔を見上げた。


少女から大人になろうかとしているくっきり二重のクリッとした瞳は、相手を誘っているかの様に魅力的で怪しさを感じさせる。



「僕もそうだがお父様、お母様も調べてる。 何か分かれば直ぐにオリヴィアにも教えるよ。 だから、一人で何もかも抱え込まないでほしい」

「……分かった。 でも、私もみんなと一緒に調べたい」

「勿論だよ。 僕たちは家族なんだから」



オリヴィアは曖昧に微笑んだ。


それはいつもの事で、ノエルも両親も気がついている。


けれど誰も何も言わない。


それはオリヴィアの心情を察しているからだ。





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