【短編】天然鈍感アホ男
そしてスーパーへと着いた。
リンゴを見つけて野菜コーナーや冷凍食品などを見て回った。

ハンバーグとエビフライとリンゴ。
これは決まってるけど他には何を作れば良いの?

あたしの好みで作ったら「これ嫌い」なんて言われるかもしれない。そんな事を言われたら絶対に涙が出る。
だから美味しいものを作らないと・・・。
特売品のコーナーを見ているとふと目に止まった「タコさんウインナー」。最初からタコになっててとても楽チンな「タコさんウインナー」に惚れてしまった。

これを買おう。
後は少しだけだけどスパゲッティを入れてミートボールやブロッコリーを入れて完成させよう。

家に帰り買って来た材料を冷蔵庫へと仕舞った。
それから家族と夕食。
夕食を食べ終わってお風呂に入りながらお弁当のおかずの配置などを考えた。

あまり豪華すぎると気合入ってると思われちゃうし地味すぎてもダメだからシンプルに済ませよう。
目覚まし時計を五時にセットしてあたしは眠りについた。

ピピピピピ―
うるさい目覚ましが耳元で大きなアラーム音を鳴らす。

眠たい目をこすりながら目覚ましを止め台所へと向かった。
まだお母さん達も起きていない様だ。
欠伸をして冷蔵庫に手を伸ばす。
昨日、用意した材料を一通り取り出した。

冷凍のハンバーグとエビフライとタコさんウインナーを焼く。
それからスパゲッティなどを作りメインは完成した。美味しそうな香りが台所に広がる。
リンゴはありきたりだけどウサギの形に切った。
久しぶりにリンゴをウサギにするから上手くできなかった。

だけど美味しいって言ってくれたら嬉しいな。
期待と少しの不安を胸に学校へと向かう。


「おはよ、千亜ちゃん!」


ニッコリスマイルで教室でお出迎えの成美ちゃん。


「おはよ!裕太にお弁当作ったんだ」


そう言うと成美ちゃんは「良かった!千亜ちゃんなら作ると思ったんだ!」と言った。
そして可愛らしい笑顔をして「光くんの所に行ってくるね」と言い残して彼氏の元へ行ってしまった。


「よぉ千亜!弁当作ってきたんか?」


突然後ろから現れた裕太に驚きながらも「勿論!ちゃんと食べてよ」なんて可愛くもない事を言ってしまった。
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