晴れのち雨〜ANOTHER STORY〜
「波美に怒られるぞ。」
「あ、しもた。」
龍馬がクックと笑う。
「でもまぁ、今は恋愛より仕事が楽しくてしゃあない、ってのも恋愛はもうせぇへん理由の一つかな?」
「そりゃあ良かった。
過去を引きずってなくて安心したよ。」
「ありがとうな。
龍馬と悠希のお陰やわ。」
「まぁな。
ま、せいぜいこっちで頑張れ。
好きな女の幸せなんて忘れちまえよ。」
煙草を仕舞って帰る準備をする。
「本気で忘れるくらいやったら、泣くほど愛したりせぇへんわ。」
ピタッと龍馬が動きを止めて、俺をじっと見た。