アオ×ソラ2~music is special!!~

俺の表情を見たオッサンはますますニヤニヤした。

なんだよ、俺…遊ばれてるみたいじゃん…。

 「さ、行こうか?
  乗って。」

片手を挙げて、オッサンは一台のタクシーを止めた。

 「知らない人の車に乗ったり、知らな
  い人に着いていっちゃいけないって
  小学校で習いました。」

俺がそう言うと、オッサンは笑いながら一人でタクシーに乗り込んだ。

 「面白いね、君。
  ますます興味出てきた。 
  じゃあ、またね。
  翡波君!」

俺はオッサンの乗ったタクシーを見送った。

やけに地味なネクタイ。

いとーきょーいちと名乗る、自分をおじさんと呼ぶオッサン。

変な人と出会ってしまったようだ…。

…なんだったんだ、一体。

時計を見ると8時47分だった。

…まぁ、とりあえず遅刻してるよね、俺。
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