【完】お嬢さまの執事様
「柊隼さん!」
私がそう呼ぶと、隼はこっちを
向いて一瞬目を見開き
驚いた様な顔を見せたが
「……は?なにこいつ。…だれ?」
冷たい声でそう言った。
……え?隼じゃないの?
涙が溢れそうで堪えるのに
必死だったけれど勇気を
振り絞り、私はこう言った。
「私は公仰桜です!
覚えているはずだよ?」
私がそう言っている間にも
隼は部屋の奥にスタスタと
歩いていき、大きなソファに
”ドカッッ”っと座った。