teddy bear
そんな透也に、いつの間にか惹かれていたのかも、なんて思ったりする。
そして最近は、誰にでも平等に接する透也に少し不満みたいなものを感じる。
…あたしだけが、透也の特別な存在になりたい、って。優しくするのはあたしだけにしてよ、なんてわがまま思ったりしてしまう。
……ほんと、勝手なんだけどね。
°.+*...*+.°
ー…放課後。
「華ー、はーやーくー」
「待ってよっ」
昇降口ですでに靴を履き替えた透也が、スクールバッグを肩にかけてポケットに手を突っ込んで門付近に立っていた。
あたしも急いで靴を履き替え、待ってと言っても少し先を歩いて行ってしまった背中を追いかける。
「ね、なに観んの?」
やっと辿り着いたあたしは、あたしよりも頭1つ分大きい透也を見上げて尋ねる。
「んー、行ってからのお楽しみー」
「なにそれー」
わざとらしくゆっくりと言う透也に、笑ってしまうあたし。
こんな他愛ない会話も、あたしとだけしてほしい、って思っちゃう。
こんなあたしって、独占欲強いのかな。
だとしたら……我ながら、ちょっと怖い、かも…。