でも、振り向かないで…


本を読むことに集中しているのか、私の存在に全く気が付かない。





(振り向いて、里中さん…)



私は里中さんをじっと見つめた。


こんなに近くにいるのに。ドアを2枚隔てただけで、息も聞こえない。






私は小さな賭けに出た。



(振り向いて目があったら、戻って告白しよう。)






振り向いて…。


里中さん…。




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