でも、振り向かないで…
そんな時だった。
課の先輩・山崎さんから告白されたのは。
山崎さんは私より5つ年上の先輩。
入社したての頃、同期の男の子から半分ストーカーまがいのアプローチがあり疲弊していた時に、何気にフォローしてくれた優しい先輩だった。
まさか私に想いがあったなんて。
私の中には里中さんという、明確な想い人がいる。
それを知っての告白だと、山崎さんは真剣な眼差しで言った。
それでも…山崎さんの想いに応えることはできなかった。
それだけ私の中で、里中さんの存在が大きくなっていたのだった。