An opening of such a love
〜side Akira 花火大会〜

暑い、あービールが飲みてえ。


さっさと帰りてえ。暑い。




なんで俺はこんなとこで


人の誘導なんかしなきゃいけねえんだ。




そもそも花火大会なんて喜んでんのは


いちゃいちゃカップルと小せえガキだけだろうが。




何が悲しくてそんなやつらの


誘導しなきゃいけねえんだ。




俺は小日向陽(あきら)。


27で小さいながらも警備会社に勤めている。




毎年、この時期になると


俺の会社はこの暑い最中借り出される。




しかし、それにも特権というものがあった。




彼女がいれば、もしくは家庭があれば


休暇が取れるという俺にとっては




まったく持って最悪の特権だ。
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