An opening of such a love
「大丈夫ですか?」




「え?あ、はい」




「あ、あなたが気分悪くしている姿が見えたんで・・・」





俺は彼女の目線まで腰を下ろす。




俺の声に顔を上げた彼女は


とてもかわいかった。




変な表現だけどそう思う。




目が大きくて肩までの髪が似合っている。




それにしても気分が悪そうだけど


本当に大丈夫か?





「あ、移動しますか?ここも人多いでしょ?」




「いえ、友達が花火見てますから」




「気分は大丈夫ですか?」




「少しましになりました。ただ・・・音がちょっと」





彼女が俯きながらそう言うので


俺は移動しましょうと彼女を起こした。




俺の腕につかまりながら


立ち上がる彼女。




俺は周りを見渡し、どこか座れる場所を探す。




ちらちらと見ていると視界にベンチが入った。




花火は見れないけれどあそこなら今は人もいない。




俺はベンチを指差し彼女を支えてそこに向かった。
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