An opening of such a love
「はい。ここに11時で。必ず来ます」





「ありがとう」





俺の姿を待つかのように振り返った


まま立ち止まっていた彼女。




顔色の悪かった頬に赤みもかかってる。




彼女の返事を聞き、謝って




日曜日にと一言言って俺は一目散に現場に戻った。




現場は人でごった返している。




彼女は無事に友達と合流できるだろうか。




いや今はそんなことを考えてちゃいけねえ。




この人ごみをどうにかしなきゃいけねえんだから。





それにしても日曜日、本当に彼女は来てくれるだろうか。




俺は北南さんに怒られながらも彼女のことばかり考えていた。




今日のいじめもさほど気にならないくらいに。
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