7人のメガネ男子にごちゅーい!
風真君って意外に優しい……。

「優花」

「何……?」

「二時限目サボっても大丈夫か?」

キーンコーンカーンコーン

「今、行っても無理だよ。良いよ。全然」

「なら、良かった。あっ、ココじゃ寒いから生徒会室行くか」

「うん。良いけど…。ココどこなの?」

「地下」

ちか……チカ……地…下。

「地下ぁ!?」

私の通ってる学園凄っ!!

「うるせぇな。地下ったら地下だよ」

いや、ちょっ待て。地下って言われて、わぁ、そうなんだ。教えてくれて、ありがとう。って言う人いねぇよ!

「………地下……」

「ほら、早く生徒会室行くぞ」

「うっ……うん」

「先生にバレねぇようにしろよ…」

「ぅん。分かった」

私達は地下から階段で2階に上がった……。授業中の廊下は怖い位に静かだった。
生徒会室の前に着き、一安心した。良かった、先生にバレなかった。

「優花、意外に上手いな。見直した」

ポンポンっと風真君には考えれない位に優しく頭を撫でてくれた。

「ふふっ。私意外とこういうの得意かも」
「そうだな」

ニカッと風真君が笑った。大人ぽっい顔の風真君が笑うと無邪気な子供ぽっい顔になる。
大人ぽっい顔も確かに格好いいけど、無邪気な子供ぽっい顔も格好いい。

「いつも笑っていれば良いのに…」
「あ?」

「風真君は、笑ったら格好いいよ。だから、いつも笑っていれば良いのにって」

「はっ……はぁぁあ?!おまっ、お前何言って……」

授業中の静かな廊下に風真君の声が響く。

「シッ、シッー。静かに。バレるって」

「わっ、ワリィ……。早く生徒会室入るか。ちょっと待ってろ。ロック解除すっから」

そう言った風真君の指は震えてた。何回もロック解除を失敗してた。

「ふふっ。失敗し過ぎ」

「うっ、うるせぇ……。初めて言われたんだよ……」

「ん?何を?」

「なっ、何でもねぇ……。ほら、ロック解除したぞ」

風真君は、生徒会室の扉を開けてくれた。

「ありがとう」

「良いから早く入れ……」

「はぁーい」

生徒会室に入ると紅茶の良い香りがした。

「あれ?要じゃねぇか」

「あぁ、風真と、………」

「中山優花です」

「優花さん。何で2人はココに?」

「要こそ」

「俺は授業が、つまらなすぎて抜けてきた。授業が簡単すぎるんだよ。もっとレベルを上げて欲しい位だ」

あれのドコが簡単なんだ……。要君って見かけ通り頭が良いんだ……。

「お前は、勉強馬鹿だからな。そりゃあ簡単だ」

「で?君達は何でココに?」

「……………」

「俺が優花を地下に連れて行ったけど、寒いから生徒会室に行こうかってなったんだよ」

「そう、そう」

「ふーん」

ズズッと紅茶を飲む要君は絵になってた…。

「……………」

「……何?」

「あっ、いや何でも……」

「そう。……君達も紅茶飲む?」

「ぁっ。お願いします」

「俺も」

「分かった。ちょっと待ってて」

要君は椅子から立ち上がって、生徒会室の奥へと消えて言った。時に、カチャカチャとコップとコップが重なった音が聞こえる。
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