7人のメガネ男子にごちゅーい!
ちょっと待っていると、紅茶の良い香りがしてきた。
要君が生徒会室の奥から紅茶2人分を持って出てきた。

「お待たせ」

コトンっと机に要君が作った紅茶が置かれた。
「ありがとうございます」

コクンッと紅茶を飲む。ちょっと熱い紅茶が私の喉を通る。それと、同時に紅茶の良い香りが口の中に広がる。

「さすが要。めっちゃうめぇ」

「美味しいです…」

「そう」

要君は一言だけ言い読書を始めた。

「あぁー。なんか暇だな。優花、なんかねぇのかー?」

「無いよ」

風真君はめちゃくちゃだなぁ……。

「………そこにオセロがあるよ」

そう言って要君は小さな棚を指差した。

「そうなのか?ありがとうな、要」
 
「別に……」

「じゃあ、風真君、対決しよー」 

「負けても泣くなよ」

「泣かないわよ。子供じゃないんだから」

「幼児体型だもんな~。信用出来ねぇな」

ニヤニヤと風真君が私を見てきた。

「私は幼児体型じゃない!」

「ほぉ……。ふーん。夏が楽しみだな~」

「……何で?」

「はっ?お前知らねぇの?生徒会委員になった奴は夏休み中にどっか旅行行くんだぞ?学園側からお金を出してくれんだよ」

「へぇ……。凄いね?」

「あぁ。今年は、海だけどな……。夜は肝試しがあるらしいぞぉ~」

風真君が両手を顔の前で揺らした。多分お化けの真似。

「えっ……。嫌だ。だったら行きたく無い…」

私、お化けとか本当に無理!無理!無理!

「生徒会委員になったら、もう行くしかねぇぞ。残念だったな」

「ぇえ……。最悪。絶対にしたくない……!」

「まぁ、2人1組らしいけどな」

「なら大丈夫かな……」

怖いけど仕方ない……。

「優花は誰となるんだろうな?」 

「誰とでも良いかな。でも、雪斗は嫌かも。なんか雪斗もビビりそう…」

雷でビビってた雪斗だよ?お化けなんて絶対に無理でしょ…。と、考えてたら静かだった生徒会室に爆笑の渦が出来た。要君も笑ってるし…。

「本当だな。雪斗は駄目そうだな」

ギャハハと笑う風真君。

「ふっ……。優花さんの言うとおりかも、しれないな」

静かに笑う要君。

「だから雪斗以外なら誰でも良いかな」

「藍でもか?」

「うん。全然大丈夫。藍、優しいし。藍が笑った時、可愛いし」

「はっ?お前今なんて言った?」

「ん?」

風真君が目を開かせながら私を見た。要君は読んでた本を机に置いた。

「優花、お前今、藍が『笑った時』可愛いしって言ったか?」

「えっ?…うん。言ったケド」

「アイツが笑った所俺達見た事ねぇぞ?つか、アイツ笑うのか?」

「うん。藍は笑うよ」

「優花さん藍に何したの?」

「何もしてません?普通に笑ってきました」
 
私、何もしてないよね?あっ、メガネ外しちゃったから……!?でも、その前にもう笑ってたし……。

「不思議だ…。あの藍が笑うとは」

「だな。優花は何したんだろうな…。怖い女だ…」

「ちょっ、藍が笑った位で何で私が怖い女になるのよ」

「コッチ寄んなよ。お前、藍に薬とか飲ませたんじゃねぇの?」

「飲ませてないわよ!失礼ね」

生徒会室の端まで逃げた風真君の所に行く。

「俺に薬飲ませんなよ…。お前マジ博士とか知り合いにいんじゃねぇの?」

「いないわよ!」

「じゃあ自分で作ったのかよ」

「作ってないわよ」

私、どんだけ凄い女なのよ。無理に決まってるじゃない。
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