7人のメガネ男子にごちゅーい!
雪斗…。アナタは、私に嘘ついたね…。どこが…、どこが…!?どこが運動神経悪いし…よっ!相当良いよ?!

『赤組一番ゴール!まだ、まだ。ゴールまで、程遠い三組!頑張って下さい!』

「アイツら…。怪物かよ…。他の三組と半分以上、差を付けてゴールしやがったぞ…。アイツら、すげぇな…」

「うっ…、うん…。凄いね…」

「息も切れてねぇとか…。あれ、500メートルあるんだよな?!」

「うん。500メートルだよ…」

「アイツら、気持ちわりぃな」

「……………。笑顔で、こっち来るよ?!聞こえたんじゃないの?!気持ち悪いって!」

「ぃや、普通聞こえねぇだろ」

風真君が鼻で笑った。私も、まぁ、それもそうだよね、と風真君に笑い掛けた。

「ねぇ、ねぇ!風真!さっき、気持ちわりぃなって言った?」

「「………えっ?」」

私と風真君の声が重なった。雪斗と蓮さんが、まだ足首の紐を結んだまま、こっちに来たかと思ったら。風真君のさっき言ったことを、雪斗が完璧に言い当てた。

「いっ、言ってねぇよ。なっ!なっ?優花?」

「うっ、うん。言ってない、言ってない」

急に、風真君に話をふられて私は、少し戸惑った。

「えー?本当に?蓮、確かに聞こえたよね?気持ちわりぃなってさ?」

「うん、うん。聞こえた」

蓮さんが、風真君の頬を軽く摘んだ。

「…ひょっ、……はにゃせ……。はぁ……。お前ら、地獄耳?」

「ほら、やっぱり言ったんじゃん……」

「だけどよ!お前ら普通じゃないぞ!?500メートル走って、しかも普通に走るより疲れる二人三脚で!笑顔で、ゴールして。息も切れなくてよ!汗もかいてない?!一回も転ばないとかよ!?怪物だろ!なっ?優花?!」

「えっ?……ぇっと……」

風真君が、またまた私に話をふった。私が、オドオドしていると…。

「ちょっと!優花が困ってるじゃん…。何してんの?」

藍が、私の頭を撫でながら風真君、雪斗、蓮さんに文句を言った。

「別に…」

「僕が、トイレに行ってるとコレだよ。ちゃんと、優花の事考えてよ。皆。本当に、優花の事好きなのか疑うんだけど?」

「「「……………」」」

「……………」

藍の発言に三人が顔を赤くしてドコかに行ってしまった。藍は私の隣に(さっき風真君が座ってた所)座った。

「優花は、どの競技に出るんだっけ?」

「えっとね、借り物競走だよ」

「へぇ…。面白そうだね…」

「うん。楽しみなんだ!」

「どんなお題が、出るんだろうね?」

「難しくないと良いけど…」

「難しくても、優花なら見付けられるよ。僕も、協力するからさ?」

「ありがとう、藍!」

「…うん。頑張ろうね」

「うん!ケドさ、藍って千メートルリレー出るんだね?」

「そうだよ。意外だったでしょ?」

「へっ?いや、別に…」

はい。凄い意外でした…。可愛い顔してるのに、一番大変な競技に出るんだもん。

「嘘でしょ」

「はぃ……」

私が、視線を下にすると。ふふっ、と藍が笑ってる声が聞こえた。私は、何かの罪悪感に包まれた感じがした。
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