7人のメガネ男子にごちゅーい!
『よーい!スタート!』

バンッと、ピストルが空に打たれた。

「………………」

うっ……。嘘でしょ……?誰か、夢と言って!!あの微妙な三人がとても息があっていて、一度も転ばずにムカデリレーをしている何て事有り得るはずが?!

「あの三人凄いな……」

いつの間にか戻っていた愛美が、私の隣で感嘆をもらしていた。…私は、凄すぎて言葉が…。声さえ出なかった。

「アイツら、今一位だぞ?凄い差つけて…」

「ほっ、本当だね……。凄いケド……」

うん……。凄いケドね……?

「何で、走りながら喧嘩してるんだろうな…。仲良いのか、悪いのか……」

愛美は、溜め息混じりの声で喧嘩真っ最中ムカデリレーを見ていた。

「本当の所どっちなんだろうね?」

「仲悪いだろ」

愛美が即答する。私も…薄々、気付いてました…。

「だよね……」

「お前ら、愚痴ってねぇで応援しろよ」

尚矢が、私の頭に腕を乗っけた。私は、重い!って、言ったけど。

「先輩何だから、文句言うなー」

「優花は、女の子なんだから触るなー。お前が、触ったら優花が汚れるから触るなー」

「牛乳もっと飲めばー。チビが調子乗ってる事言うなー」

「ヤリマンキモイから離せー。極度の女好き離せー」

「女顔キモイからこっち見んなー。オカマは黙ってろー」

「はぁ……。喧嘩しないの!!」

尚矢の腕が乗ったまま、私は藍と尚矢が喧嘩していたので怒った。

「うるっ…」

『あっ、赤組一番ゴール!早いです!赤組、驚異の速さでゴール!』

尚矢が、話してる途中でアナウンス?が流れた。

「アイツら、一位かよ……。化け物だな……」

愛美が、若干ムカデリレーの三人に引いていた。三人は、一斉に自分の足を固定している紐を解こうとして、ぶつかっていた。

「あーあ。また喧嘩し始めたし……」

愛美が三人の仲の悪さに凄い呆れていた。

「まぁ、要君は無表情無言で紐解いてるね……」

「ていうか、主にあのバカとチャラメガネの二人が喧嘩してるよな……」

「もう、名前じゃないね……」

地味に、愛美と藍って似てるよね……。

「だってアイツ、バカだし。それにチャラメガネは、初めて会ったときチャラかったし」

「そっ、そっか……」

「やっと、三人来たな。…あの二人は、喧嘩しながらだけど…」

「本当だね…」

遠くから、三人がこっちに向かって来るのが見えてた。

「お前、本当にウザい!あの生意気女に、フられて死ね!」

「その言葉、そのまんま返す!総長は、優花ちゃんの親友の女の子にフられて消えて!」

「なっ?!お前まで何で知っ…!?あのガリガリオカマだな?!おい、ガリガリオカマ!!」

「違うから!藍に聞いてないから!総長、バレバレなダケだから!」

「……なっ?!」

要君は二人を置いて私達の所に歩いてきた。とても疲れた表情で……。

「アイツら、俺の後ろで、ずっと喧嘩しててムカデリレー遅くなった……」

「いや、全然速かったよ?!要君、速さの感覚、何かズレてない?!」

「えっ?…速かった?」

「うん。凄い速かったよ?」

「……なら良いんだけど……」

「でも、喧嘩してたのに。よくあんなに、走れたね。転びもしないでさ?」

「まぁ、右と左は絶対に言おうって事にしてたからね」

「言ってたの?」

「言ってないよ。全部、俺達、感でやってた。ある意味、息あってたけど」

「うん…そっか…。ていうか異常な位に、あいすぎだよ……」

「そう?そうでも、無かっ…」

要君が、話してる途中で直樹君が私に倒れかかってきた。
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