７人のメガネ男子にごちゅーい！

「優花ちゃーん。俺、超疲れたー………」

「……大丈夫？直樹君凄い速さで走ってたからね。疲れるのは、分かるよ」

皆の殺気が、直樹君に向かっているのは気のせいかな？

「優花ちゃんって、俺の事よく分かってるー！」

「うっせぇ！チャラ男、死ね。コイツから離れろよ。コイツは俺の肘掛けなんだよ」

尚矢が、私と直樹君を引き剥がした。直樹君は、尚矢を睨んでから。

「優花ちゃんは、俺に癒やしを与えてくれるだ。だから、俺は優花ちゃんから離れないし！」

「意味分んねぇよ。そこら辺の女でも、抱いてろ」

「副さんに、その言葉まんま返すよー」

「誰が副だ！クソ！」

尚矢が、直樹君に近付こうとした。だけど、直樹君は、雪斗の後ろに隠れながら叫んだ。

「だって、アンタ。副総長なんでしょー？だから、副さんー」

「お前、ビビってねぇで出てこいよ。チャラ男」

「俺の大切な顔に、傷がついたら困るからやだー」

「いいから出てこい！！」

「喧嘩は…」

「お腹空いたから、俺は昼ご飯、家族と食ってくるからな」

「ぅわぁ？！会長？！いつから、そこに？！」

今日、初の会長。会長は、少し顔を緩ませてから私の頭をグシャグシャに撫でくり回した。

「今日は、仕事をしていたんだ。会長は、やっぱり忙しいからな」

「そうなんですか？」

「あぁ。だから、優花の近くにいれなかったんだ」

会長が、私の頬に手を添えて切なく微笑んだ。私は、急な事でビックリしてると。

「会長、昼ご飯食べるなら、一回解散しようよ」

蓮さんが、黒笑いを浮かべながら会長の手を私の頬から離した。

「邪魔をするな！蓮！」

「うるさいよ。早く、昼ご飯食べるよ」

「…………、あぁ。じゃあ、いったん解散だ」

会長が、そう言うと皆がゾロゾロと自分達の家族の所に戻っていった。

「……………」

いいな…。戻れば、家族にすぐ会えるなんて…。私も戻れば家族がいる、なんて事があれば、いいのに…。

私は絶対に報われない事を考えていた。すると、後ろから小さい頃からずっと変わってない優しく暖かい手が、私の肩をトントンと叩く。

「雪斗……」

「優花、早く行こ」

「………えっ？」

「母さんが、優花の好きなハンバーグを作ったんだ！だから、優花を呼んで来いって。一緒に、食べよう？」

雪斗の…雪斗の家族の優しさが、心に染みた。目から、なにか出そうになったけど、力を込めて止めた。

「うん！食べる！行こ！雪斗！」

私は、嬉しくて笑顔がポロッと零れた。雪斗は、一瞬止まってから私の頭を撫でた。

「うん、行こっか…」

歩いて行く雪斗の後ろに、ついて行き。私は雪斗の家族の待っている所に行って一緒にお昼ご飯を食べた。

雪斗と雪斗の家族と食べたご飯は。いつものご飯より、何倍も何十倍も何百倍も美味しかった。