7人のメガネ男子にごちゅーい!
「優花、誰か見つけたら、私に電話して。飛んでいくから」

愛美が私に向けて笑った。無邪気な子供みたいな眩しい笑顔。

もしかして……、愛美……。

「もしかして、鬼ごっこ本気で楽しんでる?」

「まぁ……、ちょっとだけね…」

愛美の口角が、上がる。それから、愛美が。

「じゃあ、鬼ごっこ本気出して殺るよ!」

「字違うよ?!」

「良いの、良いの!じゃあ、優花、地下から探してきて!私、屋上から探してくるから!」

「りょ、了解ー!」

愛美が、走って屋上方面の階段へ行った。私は、遅れないように走って、いつか行った地下へ行く。

「はぁ…、はぁ………。誰かいるー……?」

「……………」

誰もいない…か…。

「ちょっと一休み……」

私が、ふぅ…と短いため息をつくと、奥から。カタンッと音がした。

「だっ、誰かいるの?」

シーンとしてる地下で、聞き慣れた3人の話し声が聞こえる。

「ぉぃ、押すなって!」

「ちょっと、静かにしてょ」

「お前ら、黙れ……」

私は忍び足で(もう意味ないけど)、声のする方へ歩いていった。

そこには……。

「あー!風真君と要君と尚矢!」

3人は押し合いっこしていたらしく、制服が少し乱れてた。

「チッ……、バレたし……」

尚矢が、苦笑いして2人から離れる。そして逃げる体勢。

「大丈夫だろ…、コイツ足遅いし……」

風真君は、余裕の笑みで逃げる体勢。

「風真、優花が可哀想だから、そんな事言わないの………」

要君は、いつもより表情が柔らかかった。そして、2人と同じく逃げる体勢。

「もー!バカにしないで!」

私は、若干ビビりながら3人の動きをよーく見る。

因みに、入り口は、私の背中側。風真君達は、私の横を通らないと地下から出られない。

「バカにしたくないけどな、バカにしか出来ない位に、お前足遅いだろ」

ニヤッと、風真君が笑った。私の、怒りが少しあがる。

「それに、俺、海行きたいし……。スイカわり…してみたい……」

要君の、顔がホワッと緩んだ。

「あー、スイカわりか…。俺は、コイツと遊べれば良いし……」

尚矢が、首を回して私を指差してニッと笑う。

「……わっ、私もスイカわりしたいな!」

あっ……ついついツラれてしまった……。

「じゃあ、俺達の事見逃せよ……」

風真君が、人差し指を地下の入り口の方に指を差した。…まぁ、私に出てけって言っているんだ。

「だっ、ダメだよ!鬼ごっこだもん!」

「優花…、どうしてもダメかな?」

要君が、首を傾げて私の事をジーッと見て来た。

…なんか、許したくなってしまう…。…って、ダメダメ!鬼ごっこなんだから!

「……ごっ、ごめんね……?…要君。私も海行きたいし、スイカわりしたいけど……。どうせなら、海も山もどっちも私は行きたいの!」

私は、3人の目を見てから。キッと集中する。愛美に教えてもらったことがある。

集中して行動をする時は、何も考えずに本能で動けー、って。

「ふんっ……。お前に、俺達の事は捕まえれねぇよ」

風真君は、一瞬微笑んで、私に向かって走り出した。

「ごめんね?優花……」

風真君の後ろに、続いて要君が走り出す。そして、要君の後ろに、尚矢が続く。

「ちょっ!!」

私は、3人の誰か1人でも触ろうとするも。……速すぎて、私はまばたきを2、3回する事しか出来なかった。
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