7人のメガネ男子にごちゅーい!
「「……………」」

私は、何故か皆といて感じる“ドキッ”と違う“ドキッ”が、心臓に来て慌てた私は会長との視線を外した。

「……か、会長は、なんで海と山のどっちも行きたいんですか?」

私は、どうでも良い事を会長に聞く。会長は、一瞬笑って言った。

「そんなの、お前と居たいからに決まってるだろ。今更、何を…」

「……そう、ですか……」

んー……。さっきから、私の心臓がうるさいな……。私、運動したっけ?なんか、会長に聞こえちゃいそう……。

「お前は、どっちが行きたかったんだ?海か?山か?」

会長は、メガネを指でクイッとあげてから私の事を見ながら聞いてきた。

「私は皆と一緒なら、どっちでも良かったです。……でも、どうせなら私は、どっちとも行きたいです。あ、でも海に行って水着着たら、風真君にバカにされるからな……」

「ん?何でだ?」

「胸小せー…とか、幼児体型ー…とか…。でも、自覚はしてるので、…。傷つかないと言ったら、嘘になるんですが…」

私は、風真君に言われてきた数々の悪口を思い出して頬を膨らます。

「なんだ?そんなに、頬を膨らます位に怒っているのか?」

ツンツンと、会長が私の膨らんだ頬を人差し指で突っつく。

「まぁ……、少しだけ……。……でも、風真君は、たまに優しいし…、たまに頼りになるような…。なんか、割合に例えると。意地悪8割。優しさ2割…みたいな……」

「あぁ……。でも、アイツはメガネ外したら意外と良い奴なんだぞ?なんか、やけに素直と言うか…。毒気が抜けると言うか……」

あの風真君が……素直………?

「そうなんですか?……あの風真君が、素直…?…私には…想像つきませんね……」

「ハハッ……。だろうな……」

二階行きの階段に着いたときに、会長が私に手を差し伸べる。

「………会長?私、今、会長の好きなコーヒー牛乳は持っていないですよ?」

「そうじゃない!階段なんだから、お前が転んだら、どうする!階段で転んだら危険だから、手をとっていてやる、と言っているんだ!」

「だ、大丈夫ですよ。階段くらい……」

「良いから!手!手を出せ!中山優花!」

「………………」

私は、恐る恐る手を会長の手の所まで伸ばす。会長は、近くまで私の手がくると、ギュッと掴んで、笑顔になる。

「ほら、気をつけろよ…」

「あ、ありがとうございます………」

私は、慣れてる階段をゆっくりのぼっていく。

なんか、こういう事する人、会長くらいだよね……。無駄に、優しいというか……。ちょっと、人とズレてるというか……。

最後の一段をのぼりきった時に、会長は私の手をゆっくり離す。その時、私の心に少しだけ…小さい何かが開いたような感じがした。

「早く、生徒会室行くぞ!」

「は、はい!」

私と会長は、二階にある生徒会室に向かった。私と会長が、生徒会室前に着くと。会長は、生徒会室扉のロックを解除する。
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