7人のメガネ男子にごちゅーい!
「「「「…………………」」」」

要君以外の皆が、顔をひきつらす。

「特に、会長のは細かく書いてるよ。一番大変で手間かかるから…」

「……い、いつ調べたんだ?!俺の説明は!」

会長は、慌てた様子で要君の持っている分厚い本を取ろうとする。

「会長の全ての行動を分析した」

要君は、会長から、しなやかな行動で逃げていく。

完全に会長、要君に遊ばれている…。

「………アイツが、生徒会で一番怖いよな…」

風真君が、ため息をついてオデコに手を当てていた。

「要って……、こういう事、本当に得意だよね……」

藍が、呆れた表情で、要君と会長のじゃれ合いを見ていた。

「………まぁ、一番頼りに出来るケドね………」

蓮さんが、苦笑いしながら要君と会長を見ていた。

「…怖いケドね……」

雪斗が、アハハと、優しく微笑んでいた。

「さっすがー、って感じだよね。要がする行動って!」

直樹君が、ニコニコ笑って会長が転んだ所も見ていた。

「あ!会長!!大丈夫ですか?!」

私は、会長が転んだので小走りで会長に近寄った。

「………、痛い………」

「会長が、無茶するからですよ。早く立って下さい!」

「手貸せ………」

「…はい、どうぞ………」

私は、まだへたり込んでいる会長に手を伸ばす。会長は、私の手を掴んで、起き上がった。

「……ありがとな」

「いいえ、大丈夫です」

「はぁ……。要!その本を見せろ!」

会長、懲りないな……。

「残念ながら、それは無理です」

薄く要君が、笑った。

「なんでだ!」

「会長に渡した場合。破ける、濡れる、読めなくなる、汚くなる、なくす。…等と、マイナスな事にしか、なりませんので」

「な、……。貸してみないと、分からないだろ!」

「違う物を何回も貸した時、正常な形で戻ってきた事が、一回もないんですよ」

「ど、どんな物を借りた?」

「本やノート。プリントに大切な資料。生徒会の仕事で必要で大切の雪斗が凄い頑張ってまとめた紙計28枚。………見る?会長に貸した場合、こうなるって証拠」

要君は、また、タンスから色々な物を取り出して、机にバンッと置いた。

皆は、ジーッとその物を眺める。そして、藍が震える手で、あるプリントを手に持った。

「……………、会長…、コレは酷すぎ…。これ、元々茶色だったの?」

「……いや、真っ白な紙だよ。それを、数日間で、ここまで汚したんだよ。会長が……」

「………そ、それは……!!」

「会長は、道を歩きながらこのプリントを読んでいた。だけど、溝に躓いて泥んこの所に落として、こうなった…。…確か、そう言ってたよね?」

「あぁ!そうだ!紙をよく見てみろ!字が滲んでいるだろ!」

私は、藍の持っているプリントを藍と一緒によーく見た。すると、所々字が滲んでいた。

「本当だ……」

「確かに、滲んでいるケド……。生徒会の資料を歩きながら読むなんて有り得ないから。もし、落としたら。もし、誰かに見てるのがバレたら…。を、考えたら普通見ないよ」

藍は、冷たく会長に言い放った。そして、プリントを要君と同じように、バンッと置いた。

「だ、だって…」

「大人の社会で、『だって』『あの』『だから』とか、なんて通用しないと思うよ?会長、大人になったら会社継ぐような人なんでしょ?言い訳なんて、したらダメだよ」

「す、すまん………」

会長は、肩を竦めて藍に説教され謝った。
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