7人のメガネ男子にごちゅーい!
「じゃあ、藍さ。前のバレンタインデーで、どのくらいのチョコ貰った?」

蓮さんが、藍に聞いた。その話題に、皆が食いつく。

「んー?……前のバレンタインデーは……。靴箱の中と周りに…。……確か…190個くらい?入っていて。……自分の机の中に30個くらい?……入っていて………。ロッカーの中に70個くらい。……机の上に200個くらいあったような……。で、手渡しで500個くらい。家のポストの中に、確か…100以上?」

藍が、こんなの全然少ないし、的な顔で呟いていった。

「「「「「…………………………」」」」」

でも、多分皆は。

『それのどこが少ないのかな?』

と、思ったことだろうね……。

「ていうかさ。直樹の方が多いんじゃない?だって、学園の約半分の女子と他校の女子とか、さ。貰ってるんでしょ?」

藍が、嫌みたらっしく直樹君に話題をふった。

「え?俺はね……?えーと……。靴箱の中に、0個で。机の中に0個で。机の上に0個で。ロッカーに0個で。手渡しが、2000以上?くらいだよ。なんか、俺は積極的な女の子によく貰うな。時間が凄い掛かるんだよね……」

どうりで、手渡し以外0個な訳だね……。

「お前ら全員死ね!!!自慢すんなよ!!!」

総長様が、急にキレた。

「自慢って言うか…、本当のこと言っただけだし……?ていうか、こんなの多い内に入らないよ。ね?会長?」

藍は、話を無表情で聞いていた会長に視線を送る。

「なんで俺にふるんだ?」

「だって、会長が一番多いじゃーん!」

直樹君が、会長の肩に手を乗せた。

「は?俺は2500くらいだけだぞ」

あ、ダメだ……。この人たちの少ない、の加減が異常だ………。

「じゃあ、逆に一番少ない奴でどの位だよ」

「うーん?誰?雪斗?」

私が、冗談半分で、雪斗にふる。雪斗は、アハハ、と笑ってから話し出した。

「僕、1000以上1500未満だよ。でも、流石に1000以上は食べれないから、施設の子供達にあげて、優花から貰ったチョコだけ毎年食べてるよ!」

雪斗は、頬を緩ませながら言った。

「「「「「…………………………」」」」」

雪斗が話してから、総長様と愛美以外の動きが止まった。

「へぇー?雪斗、優花から“毎年”貰ってたんだー?」

藍が、ニコッと雪斗に微笑みかけていた。

手には、グシャグシャになった白い紙……。

「幼なじみは良いねー?」

直樹君が、目の笑ってない笑顔で雪斗のわき腹を肘で突っついていた。

「で、でも義理チョコだし………」

自分で、言っといて何故か雪斗は落ち込んでいた。

「義理チョコとか、関係ないよ?優花からチョコを貰えるってだけで、どんなに凄いことか分かる?!ねぇ、雪斗、分かる?!?!」

藍が、半ギレ状態で雪斗の胸ぐらを掴んでユラユラ揺らしていた。

「え、え、え?きゅ、急になに?!」

「あのね?優花からチョコ貰えるってことは。神様が地上に降りてきて、公園の公衆トイレで用を足すくらい凄い貴重なんだよ?!」

藍が言ってることが、凄すぎて良く意味が理解出来ない……。というか、チョコだけで、なんでそんなに凄いことなのかな……?
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