7人のメガネ男子にごちゅーい!
「えっと。暗証番号をっと……」

あっくんは、少しシワの入った指で、暗証番号をいれていく。

「………ねぇ、あっくん」

「なんだい?」

私は、小さい疑問をあっくんに聞こうと口にだす。

「……なんで、愛美にケンカ教えたの?」

「あ、それはね。ゆき……。……大切な人を守りたいから、って。ケンカ教えてって愛ちゃんに言われたんだよ」

あっくんは、言いかけた言葉を途中で言うのをヤメた。

ゆき……?…ゆきって、雪斗かな?…でも、なんで雪斗…?

「大切な人か……」

私の大切な人は、私の周りにいる皆。皆は、優しくて一緒にいて安心出来るから…。

「愛ちゃんは、大切な人が前より増えたみたいだね」

「愛美が?」

「あぁ」

「愛美の新しい大切な人?……一体誰なん…」

私が、不思議に思って考えていると。誰かが、私のことを後ろから抱きしめる。

「あー、疲れたよー……。優花ー……」

「…おっと……。雪斗?どうしたの?」

「ぇっとね、なんか。去年より、倍以上の告白がさ…。それに、女の子に顔が怖くって逃げてきた」

……雪斗まで、逃げてくるなんて……。今年は、どうしたんだろ?女の子の勢いが、生徒会メンバーに影響を与えすぎている……。

「そっか……。大変だね……」

「うん。さすがに、大変だった…。あれ?あっくん」

雪斗は、私から離れてから、やっとあっくんの存在に気付いたようだ。


「やぁ、雪斗君」

あっくんは、苦笑いをした。

「なんで、あっくんが優花と歩いてるの?」

「ん?生徒会室のドアが壊れちゃったらしくてね。これから、修理しに」

「え?!生徒会室のドア壊れたの?」

「うん。ちょっと、ある3人がね」

「そうなんだ…。…あっくん、僕も直すの手伝うね!」

「本当かい?助かるよ、雪斗君みたいな逞しい男の子に手伝ってもらうとね」

「逞しいなんて…、えへへ。ありがとう」

あっくんの褒め言葉に、雪斗は、ニコニコと照れ笑いをして頭をかいていた。

「小さい頃は、どうなるのか、ちょっと不安だったけど。…今までの成長をみていると、安心できるよ。…強く、優しく、育ってくれて」

「えぇ?!僕、愛美みたいに強くないよ?!それに、優しくないし……」

「愛ちゃんと、雪斗君の強さの意味は、ちょっと違うかな…。いつか、その強さの意味が、雪斗君は分かるよ」

あっくんは、ニコニコと優しく微笑んだ。

「えぇ……?そうかな…。優花、僕って優しいの?」

雪斗が、オドオドしながら私に聞いてきた。

「うん。小さい頃から、優しかったよ?」

私は、出来るだけ即答した。

「…………そう?優花に言われると、嬉しいな……。あ、勿論、あっくんに言われても嬉しいよ!」

「ははっ、ありがとう。…はい、暗証番号を解いたから、先にはいりなさい」

「ありがとう。あっくん!優花、はいって、はいって!」

「あ、うん。ありがとう。雪斗、あっくん」

私は、お礼を言ってから、生徒会室の中に入る。壊れたドアを、軽く押してちゃんとした中にはいった。

ここに入るまでは、簡単に言うと玄関みたいな所。
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