7人のメガネ男子にごちゅーい!
ミーンミーンミーンと騒がしいセミ。
子供達の陽気な声。

ジリジリと蒸し暑い太陽。

「あづー…」

私は、ボーッと風真君と肩を並ばせて歩く。

「お前のせいで、俺まで被害加わっただろ。あー、マジあぢー」

風真君の文句に、私はカチンときて。

「ちょっと!人のせいにしないでよ!…ていうか、風真君が余計なこと言わなければ良かった話じゃん!」

私は、下から風真君を睨みつける。

「幼児体型、俺のせいって言いたいのかよ」

チビチビ、と風真君は私が本気で怒っているのにバカにしてくる。

「だってそうじゃん!風真君が、優しかったら私が怒ることもなかったもん!」

「お前は、ガミガミ怒りすぎなんだよ。ちょっとは雪斗を見習え。鬼」

またまたカチンときた私。少し後ろを歩いている風真君を見て。

「じゃあ、風真君はトマトだね!トマト、トマト!」

「んだとぉ?!もう一回言ってみろ!幼児体型!」

「トマト!風真君のトマト!」

「テメェ、このやろう!」

風真君は、急に走り出す。それにビックリした私は大急ぎで、逃げる。

「おい!幼児体型!待て!」

「キャーキャー!風真君の変態!」

「きゃぁ?!」

「ぅわっ!?」

ガッと肩を引かれて、風真君の体に倒れ込む。と、そのまま風真君も後ろに倒れて、私達は歩道の真ん中で転ぶ。

「いったー………」

「いってぇな…」

私は、目をあけると風真君の脚に倒れ込んでいた。

「早く退けろよ、幼児体型」

「あ、ごめん。大丈夫?立てる?」

私は、素早く立ち上がって風真君に手を差し伸べた。

風真君は、私の手を掴んで立ち上がったかと思うと、急に手を引かれる。

「わっ…………………」

「………お前のせいで足痛いんだけど」

ギュッと、何故か風真君に抱きしめられていた。

夏の生ぬるい風が、私と風真君を包む。

「え?大丈夫?!」

な、なな、何この状況。そんなに足痛いのかな?!ど、どうしよう…。飲み物買えない事態に…。

「責任、とれよ……」

「え?!お金取られるの?!」

…お、お金はちょっとな…。

「…………はぁ…。お前、正真正銘のバカだな。幼児体型にバカって…。手に負えねぇぞ…」

「それ、凄い失礼!ほんと…んむ…」

顔をあげようとすると、風真君に後頭部を押さえつけられる。

「うるっせぇ。本当のこと言っただけだ…」

「………むう…」

「いいから、お前は黙ってろ……」

「…ふーい」

私は、どうせ文句言っても離してもらえないと諦め、風真君に言われたとおり黙っていることにした。

「…………………」

「ふわぁ………」

眠くなってきた…。だって、風真君、良い香りがする。…凄い安心出来る香り……。

「お前、よくこの状況で欠伸出来るな…」

「あ、ごめんね。…風真君の香り、凄い安心出来るから…。眠くなってきちゃって」

「……………バーカ」

そう言って、風真君は急に私から離れると。落ちていた財布をポケットに戻して、歩き出していった。

「足、大丈夫?」

私は、急いで風真君の隣までいくと、風真君の顔をのぞき込むようにしてきく。

「あ?…んぁ、大丈夫だ……」

「そっか、なら良かった」

私が、安心すると風真君は私の頭を軽く叩き。

「お前こそ、頭大丈夫か?」

「へ?頭、ぶつけてないよ?」

「そういうバカなこと言うから、頭大丈夫か?って聞いてんだよ。バーカ」

風真君は、そう言ってギャハハと声をあげて笑った。

「な、なんでそう言うこと言うのさ!」

「んー?バカだから」

「風真君の方がバカだよ!バカ!」

「バカにバカって言われても説得力ねぇし」

風真君は、ゲラゲラ笑って私のことをとことんバカにしてきた。

「もう風真君なんて知らない!」

私は、頬を膨らませるとズカズカと先を歩きだしていった。

「歩き方、男みてぇだぞ」

「ふんっ」

その後、コンビニ行くまで、私は風真君をガン無視していた。
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