7人のメガネ男子にごちゅーい!
私が俯いている間に紅茶の良い香りが部屋中に広がる……。部屋が温かくて眠くなる…。

最近、何故かまた、両親が出てくる夢を見るようになった。だから、あまり眠れてない…。

「優花さん、起きて」

ユサユサと、要君が私の体を揺らす。

「ふぁ…い。すいません…」

「紅茶、飲める?眠いなら、そこのソファで横たわったら?」

柔らかそうで、フワフワなソファが紅茶部屋にあった。

「良いですか?ちょっと、寝かして下さい…。あっ、紅茶飲みます」

「良いよ。会長に渡してくるよ。優花さんは寝てなよ」

「ありがとうございます。すいません…」

「そんな、謝らなくて良いよ」


「すいませ…。はい、すいません。…あっ…」

私ってば、バカ丸出し……。

「ハハハッ。優花さんって面白いね。お休み」

「ァハハ…。お休みなさいです」

久しぶりにお休みって言われた……。なんか、懐かしい…。ガチャと、要君が優しくドアを閉める。

私はフラフラな足取りでソファのそばに行く。ボフッと私が倒れ込むとソファから綿ボコリが舞う。

「……ヘックチ」

綿ボコリが鼻をくすぐる。小さなクシャミをして私は眼を閉じる。黒い空間の中に一瞬で入り込む。

「眠いのに寝るのが怖い……」

バンッと荒々しくドアが開く。

「おい、中山優花。大丈夫か?」

そこに立ってたのは会長。……何が?

「はぃ……?」

「眠いのに寝るのが怖いって今言ってただろ。だから、大丈夫か?って言ったんだ」

「あっ、聞いてたんですか。……はい、大丈夫です」

「俺が寝かせてやろうか?」

「……?」

ソファに横たわっている私に会長が近づいてきた。

「ほら、こうすれば安心するだろ?」

会長が頭を撫でてくれた。

「まぁ、はい。安心はしますね……」

「なんだ?まだ安心しないのか?」

「いや、大丈夫です。それだけでも寝れますから」

「そうか。じゃあ、早く寝ろ」

「はい。ありがとうございます……」

「あぁ。お休み。中山優花」

「お休みなさいです」

何でフルネームなんだろ?昨日から…さ。
もう、苗字でも、良いんじゃない?名前でも良いのに?

そう言えば、私会長の名前知らないな…。なんて言うんだろ?気になる……。今度、聞いてみよっと…。

ん…。寝るのが怖い気持ちが段々消えた。会長が頭撫でてくれてるかな?……もし、そうだったら、寝るときずっと頭を撫でてほしいな…。
安心して寝れそう……。
─────。

「ゆーか。……優花!」

重い瞼を開ける。うっすらと見えるのは、ぼやけた雪斗と藍。

「……ぁれ?」

「優花、もう帰ろう?もう、七時だよ」

「皆、待ってるよ」

「ごめん……」

「ほら、立って」

雪斗が私の腕を上に無理矢理あげる。

「ちょっと、雪斗。無理矢理優花を上にあげたら可哀想じゃん」

「あっ、ごめん。優花…」

「大丈夫。さっ、帰ろう?」

「うん。優花、行こ。今日、僕の家来るんだよね?」

「うん。本当に大丈夫?」

「全然大丈夫。優花なら大歓迎だよ」

「ありがとう。雪斗」

ニコッと私が笑うと、雪斗は私との視線を逸らす。

「ぃや、別に…。ぇっと。うん」

「……優花。早く行こう」

藍が面白くないという顔で私の手を引っ張る。

「うっ、うん……?」

「藍、優花に触らないで!」

「なんで?優花は、嫌って言ってないじゃん。何?嫉妬?」

藍が勝ち誇った顔で雪斗を見上げる。

「違うケド……」

雪斗が視線を降ろす。

「じゃあ、良いじゃん」

藍が直樹君みたいになってきてる……。

「まぁ、まぁ。喧嘩しないの」

「「うん」」
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