7人のメガネ男子にごちゅーい!
「……………」

雪斗の銀髪の髪の毛が私の頬に当たる。ブルルッと鳥肌がたつ。

「此処なら誰も来ない……。小さい頃から望んでた事が出来…」

雪斗の顔が私に近づいてきて、怖くて目をギュッと瞑ったら地下の扉が大きな音を出して開いた。……風真君は凄い汗と息切れ状態だった。

「雪……、斗。はぁ、はぁ。優花から離…れろ。優花が泣き…そうな事位……分かる……だろっ」
「風真……君」

私は泣きそうな声で風真君の名前を呼ぶ。

「雪斗……。早くメガネかけろ…」

風真君が雪斗の腕を引っ張る。だけど、雪斗は私を抱きしめたまま離さない…。

「ヤメろっ!!離せ…!!」

「雪斗いい加減にしろっ!!優花に嫌われるぞ!!」

風真君が雪斗に怒鳴ると、雪斗は、全身から力が抜けたらしく私を離し風真君に体を預けた。

「………優花には……嫌われた…くない……」

雪斗は目から涙を流し涙が頬につたっていた。
私は、まだ震えが止まらない足で立ち上がり、背伸びをして雪斗の涙を制服の裾で拭く。

「雪斗…?泣かないで…?」

私は、雪斗と愛美……、皆が泣く姿は見たくない。

「ぅっ……うぅ……。ごめん……。優、花。怖い思い……させてごめん」

雪斗は私に泣きながら謝る。風真君は、雪斗を支えて地下から出ようとした。

「大丈夫だよ…。怖い思いしてないから!私は大丈夫だから雪斗、泣かないで?」

「どんだけお人好しだよ。お前……」

「ふふっ……。早く地下から出ようよ」

「雪斗は体でけぇから大変何だよ!お前持ってみろよ」

「私じゃ支えられないわ。だから、無理」

「ワガママ幼児体型女」

「風真……。優花をいじめたらぶっ殺すよ…」

雪斗は鼻声で風真君を脅す。

「はい、はい。すいません」

風真君は雪斗と私に適当に謝り、地下から出る。地下から出て生徒会室に戻ると誰もいなかった。

「なんで誰もいないの?」

ガラッと静かな生徒会室には、ちょっと違和感を感じる。

「皆、お前と雪斗を探してんだよ。ほら、雪斗メガネかけろ」

「うん…」

風真君は床に落ちてたメガネを拾い上げ雪斗に渡す。雪斗は、髪の毛を耳からどけてメガネをちゃっかりつける。

「雪斗~?大丈夫?」

「大丈夫。ごめん…優花」

「えっ?………記憶あるの?!」

「うん。でっ、でも、あれは僕の意志じゃなくて……。その………」

「自分の中に潜んでた本望が勝手に体と一緒に動いた…って事だろ?」

風真君が分かりやすく説明する。

「ぇっと、風真の……言う通り。でも、間違っても優花を傷つけようとは思って動いた訳じゃないから」

「うん。分かってるよ」

震えが止まってる。あれはただ、ちょっとビックリしただけ。

「あっ、アイツらにメールしねぇと」

風真君がズボンのポケットから携帯をだして皆にメールをする。

数分待ってると一番最初に藍が生徒会室に入ってきた。

「はぁ…はぁ…。優花…大丈夫だった?怪我してない?」

藍の可愛い顔に汗が滲んでる。必死に探してくれてたことが分かる。

「うん。大丈夫。怪我もしてないよ?…藍、汗出てるよ?ごめんね?心配かけて」

藍が制服で自分の汗を拭う。私の事を抱きしめた。

「良かった…。無事で…。雪斗はたまに、暴走するから、本当に心配した…。だけど、風真が優花達を最初に見つけた事が凄い悔しい…」

「ちょっと、藍。どういう事?!僕がたまに、暴走するって。そんなに、暴走してないよ」

そこっ!?雪斗はあまり意味が分からない時がたまに。

「ふんっ。俺が一番最初に優花達を見つけたんだ。ちゃんと見てるって事だよ」

風真君がドヤ顔を藍に向けてする。

「チッ……」

藍が舌打ちをする。多分藍の顔は凄い怖いだろう。抱きしめられてるから藍の顔は見えないけど、多分怖いんだろうな……。

「「優花!!」」

「あ、会長と要君……」

次に入ってきたのは、会長と要君。

「良かった。雪斗に何もされてない?」

「うん。何もされてないよ」

「本当か?優花」

「はい。本当です」

バンッと扉が壊れるんじゃないかって位の勢いで、蓮さんと直樹君が入ってくる。

「「優花ちゃん?大丈夫?」」

見事に二人ともハモる。意外に二人は仲がいいのかもしれない…。

「大丈夫です」

「そっか。良かったぁ……って、藍は何で優花ちゃんに抱きついてるの?!離れなよ!」

「うるさいな。元の原因直樹じゃん。直樹がこの世に居なければこんな事にならなかったんだけど…?」

「ちょっ、藍ひど!確かに俺が悪いかもしれないけど、そこまで言わなくても良いじゃん!」

会長が直樹君の前に立つ。

「真島直樹。お前は、中山優花に抱きつくのは、最高一週間禁止だ。俺が承知するまで、お前は中山優花に抱きつくな。これは、会長命令だ」

「えぇー!それは、無いよー。かいちょー」

直樹君が叫ぶ。子供のように叫ぶ。

「うるさい。直樹は黙ってて。僕がもし、会長なら君に消えてくれと頼んでる。まだ、会長は良いほうだよ…」

藍が冷たく言い放った。……てか、いつ藍は離してくれるのかな?まぁ、良い香りするから、良いけど…?

「うわ……。俺、今凄い傷ついた…」

私も、あんな事言われたら凄い傷つくと思う。絶対に……。
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