7人のメガネ男子にごちゅーい!
「すいませーん」

翔君がウェイターさんを呼ぶ。

「はい。御注文をどうぞ」

「紅茶二つお願いします」

「かしこまりました。少々お待ちください」

ピタッと完璧なお辞儀をするウェイターさん。

「紅茶楽しみだな~」

「そうだね」

「うん。私、誰かと二人で出掛けるの初めて」

「そうなの?」

「うん。そうだよ」

ニコニコっと私は微笑む。

「じゃあ、僕とが初めて?」

「うん。初めて、初めて」

「やった。優花さんの初めて二人で出掛けた人になれた」

「ふふっ」

「……………」

翔君は下を向いた。すると、さっきのウェイターさんが紅茶を持ってきた。

「お待たせしました」

紅茶を私達二人の前にコトッコトッと置く。

「「ありがとうございます」」

「ごゆっくりどうぞ」

「良い香りだね」

「本当だ」

ふわっと蜂蜜の香りが鼻に届く。

「いただきます…」

ゴクッと紅茶を飲む。蜂蜜の甘いのが喉をスッと通る。美味しい。

「じゃあ、僕も。いただきます」

翔君が紅茶を口に運んだ。
私は、ちょっと翔君に疑問がある。

「翔君は、何で私を好きになったの?」

「ぶっ…………」

翔君は、紅茶を吐き出しそうになってた。

「だっ、大丈夫?」

「ゴホッ、ゴホッ。………大丈夫」

「ふふっ。ビックリした」

「ビックリしたのは、僕だよ。急に、…凄い事聞くんだから…」

「ごめん。でも、ちょっと疑問で…。なんで、かな?と思って」

「……ぇっと、実は要と話してたのを見て…」
「ぇっ?要君知ってるの?」

「えっ?だって、幼なじみだし」

「幼なじみなの?」

「うん。そうだよ」

うわぁ…。凄い偶然。

「へぇ…」

「で、要と話してたのを見て、綺麗な人だなっと思った。それから、見かけるうちに、好きなんだなって思って……。簡単に言うと、一目惚れ…です…ね」

そう言った翔君の頬はほんのり赤く染まってた。

「ヘヘッ。直接聞くと恥ずかしいね」

「聞いてきたのは優花さんじゃん」

「そうだった」

アハハっと二人で笑った。

「優花さんって面白いね…。あっ、もう、混んできたし、そろそろカフェから出ようか?」

「そうだね」

「お金は僕がだすから、最初にカフェから出て?」

「あっ、御馳走様です」

「いえいえ。すぐ、行くから待ってて」

「分かった。ありがとう」

私は、翔君にお辞儀をして、カフェから出た。数分後、翔君はカフェから出てきた。

「優花さん、待たせてごめん…」

「大丈夫」

ニコッと私は微笑んだ。夕日が出てきた頃だから、翔君の頬は凄い真っ赤になってた。

「ありがとう……。ぇっと、まだ時間ある?」

「うん。全然あるよ」

「じゃあ、そこの公園寄っていかない?」

「良いよ~!」

翔君が指を指した公園は、ちょっと小さい公園だった。ブランコや、滑り台、公園の周りには、網が張っていた。

だから、小さい子供が他の家にイタズラが出来ないようになっている。
翔君は、公園に入って、ブランコに乗った。私もブランコに乗って翔君と競争した。でも、やっぱり勝てなかった。

「ハハッ。優花さん弱いな」

「ぶぅ……。私はどうせ弱いですよぉー」

私は拗ねたふりをした。翔君は、ブランコから降りて私の前に立った。

「優花さん、今日はありがとう。楽しかった」

「うん。私も楽しかった」

「ぇっと、それで。優花さんの事が前より好きになった。だから、もう一回言うね」

「…………?うん」

「僕と付き合って下さい…」

「ぇっと、確かに、今日は私も楽しかった。だけど、多分この気持ちは友達として好きなんだと思うの。だから…ぇっと、ごめんなさい」

……………。二人の間に無言が続く。

翔君が私の腕を引っ張って網に私を押し付けた。強かったらしく、ガッシャン!と大きな音が鳴った。

「……………」
翔君に見つめられて、水色の瞳は吸い込まれそうな位に綺麗な色だった。

少しの間見つめ合ってると、翔君の口が私の口に近づいてきた。怖くて声も出せない。雪斗の時と同じ恐怖が出てきた………。怖くて目を強くギュッと瞑ったら、翔君が私の口の横にキスをした。

「……………」

「キスするとでも思った?」

「………ちょっとだけ」

「怖かった?」

「………ちょっとだけ」

「僕は、嫌われる事は進んでしないよ。堂々と優花さんに積極的にアタックするだけ」

グイッと腕を引かれ、翔君に抱きしめられた。翔君の鼓動は、雪斗と同じ位にドキドキ鳴ってた。

「………凄いドキドキ鳴ってる」

「優花さんを抱きしめてるからね。緊張はするよ……。本音は、このまま押し倒したいけど」

ハハッと翔君が笑う。

「……………?」

「ハハッ。意味分かってなくても、いつか分かるよ……。あのね?男は好きな人の事をいつでも押し倒したいって思ってるよ」

翔君は、さっきより強く強く私を抱きしめた。

「ぃ…たぃ。翔君、痛ぃ……」

「ごめん。優花さんの事離したくないな。もう少しだけ、こういさせて……」

「んっ………」

痛いけど、我慢しよっと。私は、人を傷つけるのはあまり好きじゃない。だから、拒否はしなかった……。

それから、夕日が沈むまで、ずっと翔君は、私を離さなかった。

「………よし、もう暗いし……」

翔君は、私を離した。

「……………」

「僕は、優花さんの事は遅れないな」

「何で?」

「多分、力付くで優花さんの家に入って優花さんの事をそのまま襲っちゃいそうだから」

「何それ」

私は、口元を緩めて笑った。

「だから、ここで。気をつけてね?優花」

「うん。翔もね」

ヘヘッ。と、二人で初めて名前で呼んだって照れ笑いをして翔君は帰って行った。

よし、私も帰ろうと思って、公園を出たら、また、いた………。生徒会委員が。あれほど言ったのに……。
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