7人のメガネ男子にごちゅーい!
俺が優花ちゃんの部屋に入ったら、優花ちゃんの大きな瞳からポロポロ涙を流してた。

「ごめんね?大丈夫?」

俺が優花ちゃんに近付くと、俺に抱きついてきた。俺がビックリしてると、優花ちゃんはまだ、ずっと泣いてた。

「ぅう、……。一、人は怖……い…。一人になりた…くない。お母さん達に会いたいよ……。なんで、私を独りに…したのかな?一人は……嫌。苦し…いよ。怖いよ……」

俺は、優花ちゃんが泣いてる間、自分の中の隅っこから、ある感情が出てきた。なんだろ?胸が苦しくて、息が上がる。

「ごめんね?優花ちゃん。もう、独りにしないよ。でも、優花ちゃん今は独りじゃないのは分かって?優花ちゃんには、俺がいるし、生徒会委員の皆も居るから…」

俺、何変な事言ってるんだろ?訳分からない。俺は、優花ちゃんの頭を撫でるしか出来ないのか……。

「ぅう……ヒッ…ク…」

「大丈夫、大丈夫」

「ふぇ…ありがと……うござい…ます」

「いえいえ」

冷えピタは、俺の手の温度でちょっとぬるくなっていた。

「…………ズッ」

「止まった?大丈夫?」

「大丈…夫です」

うーん。やっぱり、熱下がってないな。冷えピタ貼ろうか……。

「冷えピタ貼るよ?」

ピトッと冷えピタを貼った。

「ひゃん………」

優花ちゃんは、自分の高い声にビックリしたのか口を抑えた。俺もビックリして固まってた……。

「……………」

「ごっ、ごめんなひゃい……」

「だっ、大丈夫、大丈夫」

余りにも、凄い甘い声を出したから本当にビックリした。

「……………」
優花ちゃんが潤んでる瞳の上目遣いで俺を見てきた。

「何?俺の顔に何かついてる?」

「蓮しゃんも熱あるんでしゅか?顔が真っ赤でしゅよ?」

「あぁ、うん……大丈夫」

俺の顔が真っ赤?暑いから?

「気をつけて下しゃいね」

「うん。ありがとう。ところで、優花ちゃん。お腹空いてない?」

「まぁまぁです……」

「じゃあ、林檎を切ってくるね?優花ちゃんは、横になって安静にしてて?」

「私も一緒に行くぅ……」

「だって、熱酷いし……」

「独り…にしないで……。怖いの……」

────トクンッ

ダメだ。優花ちゃん見たら俺……。………どうしたんだろ。さっきから変だ……。

「………分かった。だけど、俺から離れたらダメだよ?危険だから」

「うん…。分かりましたぁ」

優花ちゃんは、真に受けたのか後ろから俺を抱きしめてきた。

「優花ちゃん?ちょっと、近すぎ…かな」

「蓮さんが離れたらダメだよ?って言ったぁ」

「そうだね。でも、包丁を使うときは、離れるようにしてね?」

「分かりましたぁ……」

テクテクと二人でくっつきながら歩く。俺の心臓は、トクンッっと動いてばかりだった。
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