7人のメガネ男子にごちゅーい!
風真君なら、二人を持ち上げれた筈なのに?

「お前、もうちょっと痩せろ!」

「それ、女の子に言っちゃいけない言葉!!」

確かに、風邪引く前より一キロ位太ったけど……。

「冗談だよ。あんま、気にすんな。重かったら、お前の事持ち上げれねぇよ」

「冗談がキツすぎなの……」

「ほら、行くぞ。一時限目が始まる」

風真君が私の手を引っ張った。ちょっと熱い風真君の手、私より、全然大きくて男らしい。

「えっ?……あっ、うん。ありがとう」

いつも、意地悪だから優しくされたらちょっとビックリする。

「別に……」

風真君は、私の手を教室に着くまで、ずっと離さなかった。

「ありがとう。風真君。一時限目に間に合った」

ニコッと笑い私のクラスの前でお礼を言う。

「うるせぇ。早く教室入れよ…」

「分かった。バイバイ」

「あぁ……」

風真君は、私の頭を撫でてから自分のクラスに戻って行った。
私は、自分の席に着く。

「優ー花」

「何?藍」

「ゴールデンウイークの二人一組のやる事の説明をしとくね?」

「えっ?本当?ありがとう」

藍はたまに小悪魔だけど、やっぱり藍は優しい時の方が多い。

「いえいえ。ゴールデンウイークに行く目的は、絆を深める為。もちろん、皆とね?でも、それ以上の仲になりたい人とペアになる。その人とは、ゴールデンウイーク中、ずっと同じ行動をする。部屋も同じ。あっ、僕は優花を襲うなんて事はしないから大丈夫」

「あっ、うん。知ってる」

藍は、微笑んで続ける。

「で、今年行くのは遊園地。あっ、貸し切りだから。迷子になる事は、とんだ凄い方向音痴で無ければ、まずない。遊園地には、プールもあるし、温泉もある。山もあるし、気分転換に登る事も良いと思うよ。夜には、時間があれば肝試しか、怖い話大会。もしかしたら、どっちとも。これで、殆ど説明は終わり」

沢山あるなぁ……。

「ありがとう。細かくて分かりやすかった」

「うっ、うん。……忘れたらまた聞いて?優花の頼みなら出来る限り頑張るから」

「ふふっ。ありがとう。藍はやっぱり優しいね」

「そんな事ないよ……」

照れ笑いする藍。元々、白い肌が桃色に染まる。

「そんな事あるよ。藍は優しいよ。絶対に」

キーンコーンカーンコーン

「エヘヘ。…ありがとう。もう、戻るね?どうせ、斜め後ろだけど」

「ふふっ。…うん」

そう言えば、最近藍は良く笑うようになった。最初の頃は、あまり笑わなかったのに。私に向けて笑いかけてくれるようになった。
ちょっと嬉しいな。

風真君のおかげで間に合った一時限目。それ以外何も変わらない日。ただ一つは、明日からゴールデンウイークって事だけ。準備って一体何だろう?大変なのかな?
……………。
そんな、つまらない事を考えてるとすぐに、放課後になる訳で……。
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