７人のメガネ男子にごちゅーい！

「嫉妬してんの丸分かりの顔だぞ」

風真が僕の頬を優しく抓る。

「優花は、そういの分からないから良いの」

僕は、風真の手を僕の頬から離す。

「女みたいな可愛い顔が台無しだぞ」

「僕は女じゃない。後、可愛いって言って良いのは優花だけ。風真が言うな」

「お前は、可愛い顔してんだから愛想良くしろよ」

何が愛想だ。僕は、優花に好きになってもらえば…それで良いんだ。

「早く、お化け屋敷行ったら？大好きな優花と」

僕は、機嫌が悪いから風真に八つ当たりをする。僕は、優花とお化け屋敷に入りたかったのに…。直樹とだったし…。

「おい。幼児体型行くぞ…」

「ぅん……」

優花は、風真の後ろについて行く。優花は、お化け屋敷に入る前に風真の手を掴んだ。風真は、分かりやすく顔を真っ赤にしてお化け屋敷に入って行く……。

「優花、大丈夫かな……」

雪斗がポツリと静かに呟く……。

「優花は、何でお化け屋敷に入るのをそんなに拒むの？」

僕は、ちょっと疑問。会長にキレた女の子が、あんなに、お化けがダメなんて…。

「何故か、分からないんだけど…優花の両親が死んでから…。急に…優花はお化けがダメになったんだ……」

「そうなんだ…。でも、どうして…」

不思議だ…。ん？だから、独りが嫌なのかな？優花は、出来るだけ独りにならないように行動してる。特に、ちょっと暗い所では。

「だから、僕は優花が怖いって言ったら優花の家にすぐに行く。最近はなくなったけど。優花の両親が死んでから、約一年間位は殆ど毎日呼ばれてた。泊まった事も何回もある。毎日、泣いて泣いて。でも、優花は、その一年間の事を何も覚えて無いの…」

「………ふーん」

それ程…辛かったのかな…。大好きな両親が急に居なくなったんだもんね…。天涯孤独…。僕も、辛かった…。両親に捨てられて…。

僕は、優しい両親が好きだった…。だけど、弟が出来た途端、僕に冷たくなったんだ。両親は僕が邪魔になったのか施設に……僕を捨てたんだ。あの時の、絶望感は一生忘れられない…。僕は、その日から人を信用しなくなった。

「優花…大丈夫かな…？」

人間なんて口だけだと思ってた…。優花に会うまではね…。

「心配だね…」

蓮が、お化け屋敷を見ながら言った。

「優花…絶対泣いてるよね…」

要が、出口を見て出て来るのを待ってる。

「優花ちゃん達、遅いね…」

直樹が、心配する。

「……………」

ゆっくりと、お化け屋敷の出口から風真と優花が出て来た。優花は、風真の首に手を回して風真に抱っこされてた。

「「優花！」ちゃん！」

皆が、優花の方に駆け寄る。優花は、凄い泣いていた…。

「ぅ…………」

風真がゆっくり、ベンチに優花を降ろす。優花は、グッタリしてた。

「優花……大丈夫？」

僕は、優花の隣に座る。優花は、僕に抱きついてきた。僕は、ちょっとビックリしたケド優花の頭を優しく撫でる。

優花の、心臓は凄いバクバクいってた。……優花にとってお化け屋敷は凄い怖いんだ……。

「ぅぅ……ヒッ…くっ……」

優花は、静かに泣く。まだ、振るえてる体を優しく包み込む…。

「大丈夫…大丈夫…」

今の僕はこれしか言えない。これしか、言葉が無い……。