7人のメガネ男子にごちゅーい!
「そうなんだ。翔は、要が生徒会委員って知ってるの?」

「ん?知らないよ」

「二人は仲良し?」

「多分。でも、優花の名前聞き出して来た時からは、前より仲良くなったよ。て言うか、翔が優花の話しかしないんだよ」

「……………」

優花が、顔を少し赤くする。その後、すぐ照れ笑いをして誤魔化してた。

「あっ。バイキングに着いたよ」

蓮が遊園地の地図と、バイキングの建物を交互に見ながら言う。

「うわ……。大きいね……」

優花が目を丸くする。雪斗もだし……。

「早く中入ろー」

直樹のうるさい声で皆がバイキングに入って行く。

「「夜月学園の皆様、いっらしゃいませ」」

「こっ、こんにちは…」

優花が、オドオドした感じで挨拶をする。

「こちらへどうぞ」

多分、四十代位の女の人が僕達を席まで案内をする。

「えっ?……部屋?」

僕達が来たのは、一つ部屋。結構広い…。

「学園長様が、特別の部屋にご案内しろと…」

「愛美のおじいちゃん…。ここまで、しなくても…」

優花がポツリと小さな声で呟く。愛美のおじいちゃん?優花の知り合い?

「半端ねぇ広さだな…」

僕の隣に居た風真が、ビックリしてた。

「本当だね…。僕、こんな広い部屋初めて」

雪斗が、風真に続く。僕も初めて見た…。

「えっ?でも、会長の家ってコレよりちょっと広いよね?」

蓮が、慣れた感じで会長に聞いた。
えっ?そんなに、会長の家って広いの?

「……だな。俺の家の方が広いな」

会長の謎は深まるばかり…。

「……会長の家ってお金持ち?」

直樹が会長に恐る恐る聞く。

「さぁな。小さい頃から、コレより広い家に住んでるだけだ」

「……会長は、あの『相田会社』の息子だよ」

蓮がサラリと言う。ちょっ、ちょっ、ちょっと。相田会社って、全国一有名な会社じゃん…。

「「「ええぇぇぇ!!!!」」」

「苗字が同じってダケだと思ってた…」

と、雪斗が会長を見ながらビビる。

「俺も…」

と、風真と直樹。

「……………」

と、いつでも冷静な要。

「……相田会社って?」

と、いつも通り意味が分かって無い優花。

「全国一有名な会社だよ」

「ええぇぇぇ!!会長、凄い!」

反応遅いな…。まぁ、そこが可愛くて優花の良いところ何だけどね。

「俺は凄くない。俺の父さんが凄いんだ」

うわ。会長って大人……。普通なら、威張るのにね…。

「会長は、その会社継ぐの?」

雪斗が座布団に座りながら聞く。ちょっとだけ、綿埃が…。

「……さぁな」

「でも、会長が社長ってちょっと似合ってますね」

優花が、ニコニコっと笑う。

「……社長になったら、俺は好きでも無い女と結婚する事になるんだ」

………えっ?会長……?

「………えっ?」

「だから、早く良い女を見つけなければな」

ニカッと格好いい笑顔をする会長。…笑って無
いのがバレバレ。目が笑って無いし…。

「そうですね」

優花も笑う。会長のお嫁さんが優花にならないと良いけど……。

「もし、俺が見つけれなかったら優花に代わりをしてもらうからな」

「「ええぇぇ!?」」

「本当には、結婚しないぞ?代わりに、会ってもらうだけだ。俺が見つけるまでな」

「会うだけなら、別に?」

ちょっと…優花…。ヤメてよ…。

「じゃあ、優花の許しも貰った訳で。早く食うぞ!」

会長がルンルンっとあどけなさをバンバン出しながらスキップで部屋を出て行く。

「ちょっと、会長待って!」

優花が慌てて走る。優花は、小さい溝に足を引っ掛けて、思いっきり転ぶ。まるで、漫画の中のように豪快に……。相変わらず、ドジだな。

「優花、大丈夫?!」

雪斗が走って優花に駆け寄る。……さすが幼なじみ。雪斗は、畳に足を滑らせ転ぶ。何で、二人揃って転ぶかな…。

「はぁ…。優花、雪斗。大丈夫?」

僕は二人みたいに慌てず近寄る。

「痛いよぉ…。鼻ぶつけた……」

優花が、鼻を押さえる。僕は、優花の鼻を優しく触る。

「豪快に転んだもんね…。大丈夫?痛いね…」

「大丈夫じゃないかも……」

優花が涙目で苦笑いする。………はぁ…何でこんなに可愛いんだよ……。

「痛い……」

雪斗がムクッと起き上がる。

「雪斗はドコぶつけた?」

僕が、溜め息混じりで聞く…。

「鼻……」

「いい加減にしてよ…。ドコまで似るのさ」

「ごめん……」

雪斗が、申し訳無さそうに僕に謝る。
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