7人のメガネ男子にごちゅーい!
「マズくて吐きそうだ。中山優花。どうしてくれる!!」

「……まず、農家の人に謝らせてから農家の人の前で、死ぬまで野菜を食べさせます」

「すまん。物凄いこの野菜様は美味しいぞ」

「じゃあ、もっと食べて下さい」

あの会長が…野菜に様を付けた。……優花は凄いな…。僕の好きな人は、本当に凄い…。

「い…」

「農家の人の前で、死ぬまで野菜を食べさせますよ?」

優花が、今まで見せた事の無いような黒い笑顔で会長を見る。

「何でも無いぞ。おっ…俺は野菜様をちゃんと食べてるぞ……」

「それなら、良いです。ちゃんと、そのお皿にある野菜は完食して下さいね…?」

会長は、目の前にある山盛りの野菜を見ながら、目をウルウルさせていた。

こんな、会長初めて見た…。ちょっと可哀想に思えてきた…。

「アイツ怖いな…」

風真が野菜と優花を交互に見ながら小さい野菜をちまちま食べる。

「風真君も、ちゃんと食べて」

「食ってるつの。よく見ろよ!幼児体型」

「幼児体型って言わないで!」

優花が野菜をパクパクと小さな口に含む。小動物みたいで可愛い…。

「お前、野菜ばっか食ってるから胸が成長しねぇんだぞ。もっと、肉食え。肉」

風真が、さっきの優花みたいにフォークにお肉を刺した。そのフォークを持って、優花に近づく。

「ちょっ、私野菜食べてるから。お肉は、後で食べるって……」

「良いから食え。貧乳。俺は、お前の胸の事を心配してんだよ」

「余計なお世話よ!貧乳で悪かったわね」

「自覚してんだったら肉食えって。お前、どうせAもねぇだろ」

「失礼ね!A以上ちゃんとあるわよ!」

「ほー。意外だな~。俺、お前の胸まな板かと思ってたぞ」

ギャハハっと笑う風真。優花は、もうキレる寸前。…………。優花の事助けないと…。

「風真。そういう事言うのヤメなよ。優花は、充分胸あるよ」

「嬉しいような、恥ずかしいような…」

「何で分かるんだよ?」

「僕は、人のデータを集めるのが得意だからね。例えば……直樹」

「えっ?俺……?」

「直樹の初恋の人は、近所の二個年上だった女の人」

「ええぇぇ!!?何で知って…」

「例えば…要」

「……俺?」

「要には、兄弟が沢山いるよね?弟が三人とお兄さん二人。その内、一人の弟は今同じ学園に通ってる」

「……うん。当たってる」

「ほら。僕は、人のデータが頭の中に殆ど入ってる。暗記系は、僕得意だから」

「ぅわぁ……。藍、凄いね!」

優花が、僕に近寄ってくる。半端なく可愛い。優花は、いつどんな時でも、可愛い。

「ありがとう。風真も、一つ下に弟いるでしょ?」

「………あぁ」

「弟君って、女性恐怖症だよね?」

「………何で、そこまで……」

「だから、僕は暗記系が得意なの。データは、一度みたら忘れないから」

「お前、怖いな…」

「僕の、特技でもある」

「良いな…。私も、藍みたいな暗記力がほしいな…」

「優花なら、僕より覚えられるよ。頑張って」

僕は、優花の頭を撫でる。優花は、ありがとうって言って微笑む。

「おーい。君達は、ご飯を食べないの?」

蓮が、僕達を見ながらお皿を置いていく。
………そういえば、会長大丈夫かな?
僕が、会長を見る。会長は机に頭をガンガンぶつけていた。

「かっ……会長。何してるの?」

「やっ……野菜様が俺を追ってくる……」

会長……。精神まで、逝っちゃう位に野菜が嫌い何だね……。僕も、会長の分の野菜食べてあげよっと……。

「ぁれ?…凄い美味しいよ。この野菜…」

水々しくて、新鮮で…。美味しいよ…。この野菜…。

「ほら、皆。好きな物食べて、食べて」

蓮が、優しい笑顔を振り撒く。皆は、ゾロゾロっと好きな食べ物を持って来る。
優花は、野菜類と和食系。雪斗は、洋食系。
風真は、お肉ばっかり。要は、バランスの良い盛り付け。

直樹は、スパゲティと野菜ジュース。蓮は、何故かフルーツだけ。でも、体に必要な栄養素が沢山入ってるフルーツ。

会長は、まだ優花に言われた野菜を食べてる。
僕は、机に沢山置いてある野菜を食べる。
皆は、楽しく食事をしてた。

……楽しい時間は、早く過ぎるもので。
僕達は、晩ご飯前の温泉に入る事になった。
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