7人のメガネ男子にごちゅーい!
えっ?優花の声が聞こえた…。

「上、上!!」

僕達、皆が上を見たら女湯の壁から優花がひょこっと顔を覗かせてた。

「ちょっ、優花?!まさかの、覗き!?」

雪斗がビックリしてる。…てか、皆がビックリしてる。勿論、僕も……。

「違う、違う。蓮さんに、ちょっと聞きたい事が…」

優花の白い腕までと顔しか見えて無いことに感謝だね…。それ以上、上に上がったらヤバい事になるから。

「何?優花ちゃん?」

「あの…。凄い、シャンプーが沢山あるんですけど、どれを使えば良いんですか?」

ズコッと皆がコケる。えっ?そんな事?!まぁ、優花らしいケド……。

「好きなシャンプーを使って良いんだよ」

さすが蓮。気持ちを顔に出さない。
優花、凄いビックリしてるんだろうな…。

「えぇ!?……好きなシャンプー使って良いんですか?……うわぁ……。凄いなぁ……」

優花が、後ろの方を見ながらビックリしてた。

「早く、戻れよ。幼児体型…」

「あっ。ごめん。蓮さん、教えてくれてありがとうございます!」

「うん」

優花の顔が無くなる。……ビックリした…。

「アイツ、堂々と覗きしてんのかと思った…」

風真の顔が、ちょっとダケ真っ青だった。

「優花が、そんな事する訳無いじゃん」

優花は、男に興味が無いんだから。悲しい事にね…。

「まぁ、藍の言う通りだね」

アハハっと蓮が苦笑いをする。

「まぁね。優花は、そんな事しないよ」

雪斗が、シャワーで頭を濡らしてた。……水も滴るいい男だね。雪斗は…。

「…うわぁあ……。ちょっと、蓮!!水かけないでよ!冷たいんだけど!!」

「……ごめん。水をかけたら、直樹はどんな反応するのか、ちょっと気になった」

蓮……。ドSスイッチ入っちゃった…。

「もう、蓮って本当に有り得ない。俺、今日メガネ外しても性格が変わらなかった事に感謝してよね!………おりゃあ!」

「………冷たいんだけど」

直樹が、要に水をかけた。

「ぅわぁ……。要の方が冷たいんだけど…」

「子供みたいな事してないで、早く洗いなよ。あんまり、うるさいと熱湯かけるよ」

「はい。すみませんでした」

直樹は、要の冷たい視線を受けながら椅子に座りシャワーからお湯を出して頭を濡らしてシャンプーを泡立てた。
僕も頭洗うか…。僕は、お湯の蛇口を捻る。

「ぁつ………」

「アハハ、藍可愛いね~」

「……………」

「アチチ……。ちょっと、藍、熱いんだけど!!」

「直樹……。シャワーで頭殴るよ?血のシャワーで僕、頭を濡らす事になるね…」

「こっ、怖いよ。藍…」

だって、優花以外に可愛いって言われたら凄い嫌な気分になるんだよ。僕は…。

「もう、僕に可愛いって言わないでよ。僕は、男なの。僕は、可愛くない…」

「……うーん。藍の濡れた顔凄いエロいよ?」

「………マジで殺すよ?直樹君?」

「すみません…。許して下さい…」

ふんっ。何がエロいだ!!ふざけるな!僕は、男なんだよ!

「……直樹は、男に可愛いって言われて嫌じゃないの?」

「俺、言われた事無いしー」

そうだった……。普通の男は、男に可愛いと言われないんだ……。

「えっ?じゃあ、皆は?」

僕は、皆に聞く。僕だけって事は、いくら何でも無いでしょ…。

「俺は、無いかな?」

と、蓮。

「僕も無いよ?」

と、雪斗。

「俺も」

と、風真。

「………俺も」

と、要。

「俺も無いぞ!」

と、会長。

「えっ?……じゃあ、僕だけ?」

皆が、視線を合わせて僕の顔を見る。そして…。

「「「藍だけ」」」

「……………」

僕の心は、今確かに折れた。何で、いつも僕だけ『女の子みたい』とか、『可愛い』とか。男に言われないといけないんだよ…。
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